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『This Is Us』シーズン2 第7話 レビュー

自分が嫌でたまらなくなる時、無いものばかり数えてしまう時に観てほしいです。

すべてのことに失望しても、うまくいかなくとも、生きてさえいれば、何とかなる。私はそう、思わされたエピソードでした。

今回のお話のテーマは、”失望”

私にとっては、今回のエピソードはハイライトが5つくらいありました。今日は、ハイライトのみを書こうと思います。

登場人物①

登場人物②

分かりやすい時系列表はコチラ


◆愛の力で、ランダルの母親になったレベッカ

ジャックとレベッカは、正式にランダルを養子にする手続きを進めていました。調査員のポーラが家に来て、彼らがランダルを育てるにふさわしいかどうかを調査。ポーラは、ジャックとレベッカに好印象を持っていて、このまま手続きを進めてもいいと判断。

しかし黒人の裁判官は、ランダルを黒人家庭の養子にする方がいいと話します。それはランダルが差別に苦しんだ時、白人のレベッカとジャックが、根強い黒人差別への対応が難しいからと判断。愛だけでは、うまく行かないこともあると、裁判官は思ったのです。

でもレベッカは、「家族写真」と熱意ある手紙を裁判官に送ります。

「ランダルの養子を認めても、認めなくとも、この家族写真を何度も見て、然るべき判断をして下さい」とお願いしたのです。彼女は、この手紙に「ランダルの母親、レベッカ・ピアーソンより」と書いていて、グッと来ました。どんな決断が下ろうとも、母は強し!

この裁判官は自分自身では判断が難しく、他の黒人裁判官に判断を任せました。結果、ランダルは正式に、ジャックとレベッカの息子になりました!おめでとう!

ジャックとレベッカは、人種の違いに困ること知らないこともありましたが、いつもランダルのために最善を尽くしてきました。


◆ウィリアムが道を外れなかったのは、この人のおかげ?!

青年時代のウィリアム。大好きな母を亡くし、愛した恋人も失い、愛息子ランダルでさえも手放さないといけない状態でした。そんな彼は、ドラッグを買った嫌疑で逮捕。

裁判官に「失望した」と言われたウィリアムは、「愛する人たちを失い、愚かな選択ばかりで、自分は世界一情けない男です」と涙ながらに主張。自分がどうなろうと、どうでも良いような、投げやりな言い方に胸が張り裂けそうでした。

後日、裁判官はウィリアムと2人きりで話をします。裁判官と目を合わそうともせず、完全に抜け殻のようなウィリアム。裁判官は彼が言った言葉を思い返して、裁判官自身も、自分に失望していると話します。

自分の言葉で、人が何年も塀に囲まれて生活することになります。出所しても彼らに仕事がなく、周りの目も冷ややかです。そんな彼らはまた再犯し、刑務所に逆戻り。同じ筋書きが多いけど、ウィリアムにはチャンスを与えたいと話したのです。

裁判官は「道を踏み外しそうになったら、この年老いた顔を思い出して、正しい判断をしてほしい」とお願いしました。

彼の真剣な思いと優しさが伝わり、涙を浮かべて頷くウィリアム。その後、悪い仲間とも関わらないようにして、全うに生きて来た様子。

それから、30年後。ウィリアムに癌が発覚し、彼は再びドラッグに手を出そうとするのですが…またもや彼を救った人物がいました。それがランダルだったのです。シーズン1の第1話で、実の息子だと言いに来るところですね。あの時ランダルの訪問がなかったら、亡き裁判官を失望させるところでした。良かった…。約束を守り、違う筋書きができたウィリアム。


◆嘘偽りのない、トビーのプロポーズ

ついに籍を入れることにしたケイトとトビー。ジャックの遺灰の壺の前で、トビーはケイトにロマンチックなプロポーズ。優しさと愛おしさを含んだ眼差しで、嘘偽りのない言葉で愛を誓いました。涙ぐむケイトを見て、私まで幸せな気持ちと涙が溢れてきました。


◆ランダルだから分かる、デイジャの母の気持ち

デイジャは、刑務所にいる母親と面会することになりました。だけど刑務所に行ってから、突然面会を断られてしまいます。デイジャは落胆を見せますが、お母さんに必要なものを買ってあげたいと申し出ます。なんて優しい子なんだ。

デイジャが母に会えなかったことで、ベスは怒り心頭。すでに我が子のようにデイジャを思っているのが伝わってきました。

ランダルは後日、デイジャの母親のシャウナとガラス越しに対面。顔が腫れていて、デイジャに心配かけたくなかったから、前回の面会を断ったことが分かります。お互い喧嘩腰になってしまいますが、シャウナがデイジャを大切に思う気持ちには偽りがないと分かります。

ベスは、デイジャとシャウナを関わらせたくないと話します。でもランダルは、ウィリアムのことを思い出して、デイジャやシャウナにとって正しいことをしようと話すのです。

そして、コレクトコールで嬉しそうに母親と話をするデイジャ。ベスは複雑な表情をしますが、デイジャの笑顔を見て正しいことをしたと思えたのではないでしょうか。


◆ケヴィン、ハリウッドセレブに有りがちな展開…

ドラッグと酒に溺れていくケヴィン。ハリウッドセレブに有りがちな展開ですが、ケイトもソフィーも、彼の異常に気が付かないのが不思議でなりません。明らかに、いつもと違うのに…。

自分が何なのか分からない、どれが本当の自分なのか分からないことに苦しむケヴィン。誰にも頼れないから、お酒とドラッグに頼ってしまう日々。深刻化している彼の状況が心配です。


◆感想

何回も観ているのに、涙腺が緩んで仕方ない。青年時代のウィリアムのやるせなさ、裁判官の温情にはこみ上げるものがありました…。

ジャックとレベッカの時代は、今よりももっと差別が多かったと思います。なので、黒人さんの裁判官が言った言葉、ランダルを案ずる気持ちも想像することができます。

ウィリアムのように自暴自棄になって、自分の人生すらも諦めたくなる瞬間があると思います。

私の場合、バッタモン家族の中で親に虐げられていた頃。あの時は正直、「死にたい、殺してほしい」と願うばかりでした。でも過去を振り返ってから、今の幸せな生活を見ると、生きてて良かった、そう思います。

辛いことは長く、永遠に感じるけど、生きてさえいれば、何とかなる。

この回を見る度に、そう実感させられます。


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