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旦那さんが骨折。 嫁は危機感を覚える

9月9日、旦那さんが左手首を骨折した。

いつもの朝のように旦那さんを起こす。私はベッドに背を向けて、ブラインドを開ける。

「今日もええ天気や…」

ドン、バタン!

聞いたこともない大きな音がした。振り返ると旦那さんが床に倒れていた。うう…とうめき声をあげてうずくまっている。

駆け寄ってみると、腕を押さえている。
ひねった?折れた?打った?

「くっ…ひねった…かもしれん。めっちゃ…痛いっ」

語彙力豊富な彼が「めっちゃ」しか言わないくらいだ。
相当な痛みなんだろう。多分10分くらい悶えていたと思う。その間に私はアイスパックを用意。

痛みに慣れた頃、彼は「ベッドの足につまづいた」と教えてくれた。左手が全てをかばったみたいだった。

手首はどんどん腫れてくる。
旦那さんの顔から血の気が引いている。
手に力が入らないのか震えている。

「Mai、何か添え木になるもの探してくれへん?」

添え木になるもの…この家にあるのか?

あったー!!!

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だし巻き卵やお寿司巻くやつ。「巻き簾(まきす、まきすだれ)」って名前なのね。自分の手に当てると、長さも硬さも固定するのにピッタリ。

彼に教えてもらいながら、包帯とテーピングでそれを固定していく。患部の圧迫は良くないどころか、触れるのも痛そうだから包帯は巻かない。

「ありがとう。次はそのスカーフで三角巾を作って、俺の腕に巻いて。」

元から三角巾型になっているスカーフやけど、腕を吊るすやり方が分からない。ネットで素早く検索。三角巾を腕に巻く。

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「これが応急処置やから覚えといて。」

1時間後。
応急処置をして、患部を冷やしても腫れと痛みが引かない。彼は友人に連れられて、緊急で病院に行った。

5時間後。
彼はギブスをつけて帰ってきた。巻き簾は忘れて来たらしい。棚でホコリかぶってただけやし、別に取りに戻るほどのものでもない。役目を果たしてくれた巻き簾さん、ありがとう。旦那さんはしっかりしているのに、たまに抜けている。

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今回、自分の頼りなさを実感した。

応急処置をしないと怪我が悪化する可能性がある。もし彼に意識がなかったら、大きな怪我をしていたら、パニックで何もできないかもしれない。

仮に病院に電話するにしても、英語で「転んだ」って何て言うの?「ひねった」って何て言うの?そんで相手の言っていることを聞いて処置できるのか?車を持っていたとしても、私はカナダで免許がないから運転できない。私は彼を病院にも連れて行けない。

その間に旦那さん、死なせてしまう。悪化させてしまう。死んでほしくない!夫婦揃って、致命的になってどないすんねん。

旦那さんだけじゃない。もし外で事故や怪我している人がいたら?自分がしっかりしていれば助けられる人がいるのに、それができないとしたら?悔しがるだけではアカン。

応急処置の基本くらいは知っておこう。

旦那さんは過去に本を読んだ、練習しただけで、応急処置の方法を思い出して実践したのがすごい。私が彼の立場なら、「痛い」と騒いでるだけやったと思う。

骨折の英単語

骨折:「Broken bone」
ギブス:「Cast」
応急処置:「First aid」
転ぶ:「Fall down」
ひねる:「Twist」

危険が少ないところもで大きな怪我をすることもある。こんな所で転ぶことはないと思い込んでいた。

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壁の角で頭を打ち付けなくてよかった。
絵を描く人だから、右手を怪我しなくてよかった。

9月9日「救急🚑」の日に、最もらしいことを学んだ。

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