三度目の正直:スターデューバレー日記
去年、ゲーム『スターデューバレー』をコンプリート。新セーブデータ「カエデ」を作って、また1から進めている。
今日は、カエデが幸せを掴んだお話。
カエデの恋愛は後悔だらけ。
カエデは恋人の親友と浮気をしてしまった。恋人の親友が本命だったにも関わらず、カエデは恋人と結婚をすることを選んだ。そんな関係がうまくいかないのは当たり前。結局は離婚。恋人の親友とも修復は不可能。
そして、カエデはお医者さんと再婚した。裕福ではあったが、幸せではなかった。
自分と恋愛が嫌になり、逃げるように住み慣れた街を飛び出した。心機一転、ペリカンタウンの田舎で牧場をスタートさせた。
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牧場に越してきて3年目の秋。カエデはエリオットと結婚した。
カエデはエリオットに出会った瞬間、強く惹かれた。
彼は紳士で柔らかい笑顔が印象的だ。でもどこか淋しげな雰囲気をまとう。彼は浜辺の小屋でひとり暮らし。ピアノと本を愛し、小説家を目指している。
カエデは忙しい牧場生活の合間をぬって、エリオットに猛アタック。彼女の牧場から彼の小屋は遠い。なかなか彼に会えない日もあった。それでも努力のかいあって、交友が深まっていく。
ペリカンタウンでは、花束を渡せば「告白」を意味する。人魚のペンダントを渡せば「プロポーズ」を意味する。
そのペンダントは雨の日に、水夫のおじさんからしか買えない。
あいにく、空は快晴続き。
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ある日、カエデがエリオットの家に行くと、彼はピアノを弾いていた。儚げで美しい音色に聞き入る。
彼は、小説の執筆がうまくいっていないのだろう。そんな時はいつも、こうしてピアノを弾いているのだ。
「全てを捨てて、君のように牧場生活も悪くないかな」
「それなら私と一緒に牧場をしよう」
カエデは半分プロポーズで言った。
「いや、小説は諦められない。もうすぐ書き終えるんだ。まずはそれを頑張るよ。ありがとう、カエデ。」
やっぱり、あのペンダントがないとダメか。
いや、彼は小説を書き上げないと私との将来も考えられないんじゃないか。
もう少し待とう。結婚は、本当に好きな人と結ばれるのが一番だから。後悔はもうしたくない。
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いくつかの季節が巡った。
ある朝、エリオットから手紙が届いた。
「図書館で僕の小説の朗読会をするから、君にも来て欲しい」
数日前、彼の小説は賞を受賞して出版も決まった。晴れて作家デビューだ。
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朗読会は成功。
「エリオットよかったね!おめでとう!」
「君の支えがあったおかげだよ。」
紳士で甘い言葉も平気で言う彼なのに、少し頬を染めるのが可愛い。
カエデは空を見上げる。天気予報によると、もうすぐ嵐がくる。
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「もちろん!YESだよ!」
プロポーズが成功。ペリカンタウンのみんなに祝福されながら、挙式もあっという間に終わった。
カエデの家にエリオットの部屋ができた。読書家の彼らしく、本がいっぱい。ここで小説作業もしている。
疲れて帰ってきたとき、大切な人の顔を見ると明日も頑張ろうって思える。カエデはそんな小さな幸せを噛み締めていた。
エリオット、あなたと結婚できて良かった。カエデは心の中でそう呟いた。
人生は時に困難がある。でもきっと、2人の未来は明るいだろう。
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