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就活・転活に使える新手法 "マーケティングトレース" とは?

マーケティングトレースと就活・転活

マーケター界隈では「マーケティングトレース」というものがどうやら流行っているらしい。

マーケティングトレースというのは、自分の興味のある企業をピックアップして、その企業のマーケティング活動を分析し、自分ならどんなマーケティング提案をするか考える取り組みだ。

これを初めに聞いた時、「あれ、これ就活とか転活の時に使ったら企業研究として解像度上がりそうだし、アピールポイントにもなりそう」と思った。

(個人的には企業が採用活動する時に、課題として出してもいいんじゃないかくらいの良さ)

ということで、今回はマーケティングトレースを就活・転活に有効に活用しようというテーマでお伝えしていきます!


STEP0. マーケティングトレースの下準備

●フレームワークのフォーマットをダウンロード

分析自体はこちらのフォーマットに合わせて進めていけばOK!
→ マーケティングトレース参考スライド

マーケティングトレースをまずはじっくり知りたい方はこちらから!
→ マーケティングトレース(マーケターにとっての筋トレ)とは何かについて

●会社を選ぶ

自分がマーケティングトレースをやろうという会社を選ぶ。

今回は、前々から気になっていた株式会社サーキュレーションという経営コンサルティングを行うベンチャー企業でやってみる。

追記:初のCMが完成しました!〜関東圏でのTVCM放映決定〜

●楽しむ気持ちでやる

あまり気負いすぎず、最初は楽しむ気持ちでやるのが良いみたい(僕も初心者だけど)。

音楽聴きながらとか、お酒飲みながらとか、あとは誰かと一緒に集まってやっても捗るかも。


STEP1.会社概要をチェック

まずはコーポレートサイトおよび採用サイトから会社の概要を捉えていく。

会社名
株式会社サーキュレーション
ビジョン
世界中の経験・知見が循環する社会の創造
事業内容
プロ人材の経験・知見を活用して経営課題の解決を支援する「プロシェアリング
※プロシェアリングを主軸にその他、8事業を展開
設立
2014年1月
代表者
久保田雅俊
資本金
1,200万円(2018年7月末時点)
所在地
東京都渋⾕区神宮前3-21-5
※その他、大阪、愛知、福岡、金沢、仙台に地方拠点を持つ
従業員数
社員 167名(2019年10月時点)

株式会社サーキュレーションは、大手総合人材企業で顧問・コンサルタント紹介サービスの責任者をしていた久保田氏が2014年に立ち上げたベンチャー企業。

事業としては、あらゆる領域のプロ人材を紹介し経営課題の解決を支援する、というものでコンサルティング業界と人材業界の両面の特性を持っています。それを「プロシェアリング」と名付け、新しい業界を創ろうとしているよう。

昨今の人材不足、働き方の変化、シェアリングエコノミーが加速する中で、その時代の波に乗る事業を展開している。

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社員数の増加に伴い売上も着実に伸びており、健全に会社が成長しているようだ。

Tips
ちなみに、自社運営のメディアはポジショントークが多いので、openworkといった社員の口コミサイトでリファレンスチェックもするのがいい。もちろん、辞めた人の口コミはネガティブなことが多いので参考程度に。

STEP2.マーケターの募集要項をチェック

採用ページにある人材の募集要項に合わせて、事業やサービスのマーケティングトレースをする。

関わっていただく可能性のあるサービス
・プロシェアリングサービス(法人獲得・個人獲得)
・プロ人材と共にアイデア出しから事業企画立案、実行推進を行う新規事業共創サービス「Open Research」
・知りたいことを専門家に直接聞ける/レポートしてもらえる新しいリサーチサービス「Open Idea」…

今回はメイン事業でもあるプロシェアリングサービスの法人獲得を考えていく。

ビジネスモデル図解ツールキット 配布版.pptx

Tips
マーケターとしてサービスを分析する上で、ビジネスモデルの理解は必須かと思う。上図はビジネスモデル図解というツールキットを用いたが、とてもオススメ。


STEP3.3C分析(市場・顧客、競合、自社の分析)

3C分析で市場・顧客、競合、自社の観点からマーケティング環境を分析していく。

マーケティングトレース参考スライド_サーキュレーション (1)

●市場・顧客
・主要顧客は業界を問わず、経営課題を持つ東京都内および地方5都市の中小企業、新規事業を推進する大企業
・コンサルティング市場は緩やかに拡大(参考:業界動向サーチ
・日本企業全体で人材不足が続き、優秀な人材の確保が困難

Tips
今回ざっくりの3C分析ですが、本当はもっと緻密にやるのがよい。無料で市場や顧客の動向を調べるのに、矢野経済研究所がよく使われる。その他、ferretLISKULのまとめ記事で紹介されているサイトも役に立つ。

競合
・競合企業は、各業界や課題別のコンサルティングファーム、顧問やハーフコミット型の人材紹介会社
※船井総合研究所やドリームインキュベータ等を想定

自社
・13,000以上のプロ人材の登録があるため、提供できるサービスの幅が広い
・プロ人材を雇用する費用がない分、他社より料金を抑えてサービスを提供しやすい

▼登録プロフェッショナルの職種

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成功要因
事業の成功要因としては、働き方改革やシェアリングエコノミーの時代で社外にの人材に業務を任せることが当たり前になってきたことや、競合のコンサルティング企業と比較した時に、上流業務から下流業務まで幅広く行える優秀な人材を低コストで提供できることが考えられる。

課題
あくまでコンサルティング業界内で成功を収めてきているのであり、「プロシェアリング」(現在は月間検索ボリューム10〜100程度)という新しい市場を創造する意味ではまだ道の半ばかな。

Tips
流行り廃りを追うには、Googleでのキーワード検索数が分かるキーワードプランナーや、トレンドを追えるGoogleトレンドを活用するのがいいかも。


STEP4.4P分析(価格、商品・サービス、流通・小売、販促・PR)

マーケティングトレース参考スライド_サーキュレーション (2)

●価格

ほとんどのサービスは、検索すればサービスサイトや比較サイトで価格は出てくる。

料金表
25万円〜/月(6ヶ月〜)
※事例をいくつか見ると平均40〜50万円/月くらいと予想

加えて顧客数と案件数が掲載されているので、LTVと月間売上も大体検討つくけど、怒られるのちょっとこわいからやめとく。

●商品・サービス

プロシェアリング&サブサービス
※特に、新規事業、IT/WEB、人事・経理、マーケティング、事業承継あたりが強そう(その領域は会員数が多く、サブサービスの展開もあるので)

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サービス
メインサービス
・プロ人材の経験・知見を活用した経営課題解決支援サービス「プロシェアリング」

サブサービス
・新規事業立ち上げ支援サービス「Open Idea」
・スポットコンサルティングサービス「Open Research」
・CTO/エンジニア/デザイナー支援サービス「flexy」
・人と組織、成長戦略に着目した事業承継支援「人がつなぐ事業承継」

●流通・小売

東京の本社、大阪・愛知・福岡・金沢・仙台に支社あり。

対象顧客が昔ながらの企業が多いので、まだ拠点を増やし対面営業する必要性が強いが、今後WEB会議が国内で定着すると顧客獲得が楽になりそう。

●PR

地方の金融機関との事業提携。地方創生をはじめとした社会課題の解決に取り組んでおり、その文脈での事業提携やPRに力を入れている様子が分かる。

Tips
PRは主にプレスリリースサービス(PR TIMESアットプレス等)か企業の「お知らせ」ページから探していく。口コミとかはツイッターで探してもいいかも。

●販促(オフラインマーケティング)

自社主催のセミナーを月1〜2回と定期的に開催

●販促(デジタルマーケティング)

その企業がWebマーケティング施策を何やっているかは、サイトを検索してみたり、Ghosteryでサイト内の計測タグ調べたりして整理する。

・Googleリスティング広告

「サーキュレーション」「プロシェアリング」の指名検索はあった。

・Facebook広告

「さよなら正社員」とキャッチーなワードを使われていたようで、興味関心に合わせて複数バナーが配信されていそう。

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ちなみに、企業が配信しているFacebook広告の訴求ポイントを探すには、広告ライブラリを使えばよい。

あと、個人的な趣味でFacebook上の広告で「・・・」→「この広告が表示されている理由」を見れば自分に配信されているターゲット設定を見てる。

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・LP

新規事業EC広報人事などカテゴリーごとに複数ある

・オウンドメディア

CTO、技術顧問、エンジニアやデザイナーをご紹介するITメディア「flexy

・その他

WantedlyとかGreenとか諸々の採用媒体を参照して、ホワイトペーパー制作、Pardot(MAツール)やSansan運用、インサイドセールス体制があったりが分かる。

●戦略視点

・地方展開の拡大
人材不足や経営課題を持つ、主要都市に地方展開を拡大する。特に地方企業はコンサルティングファームに依頼できるような資金力が乏しいことが多く、サービス性質上もしくは金融機関/行政との提携により低料金でも対応できる。

・主要サービスを軸に横展開させる
プロシェアリングをメインに、それを横展開させる形で第二・第三の柱となる事業を生み出す(新規事業専門、事業承継など)


STEP5.もし、その企業のマーケターなら

想定する戦略視点を元に、4P(価格、商品・サービス、流通・小売、販促・PR)にプラスの影響を与えられる提案を考える。

施策アイデアに困ったらこのあたりを参考に
マーケティングに強くなる「スキルマップ」を作ってみた
BtoBマーケティングの手法大全 – 社内会議で使える88個の施策アイデア

既存施策を強化するための人材・予算のリソース投下はまだまだ必要なのかと思うけど、とりあえず新しい施策案を考えてみた。

販促:展示会の出展

ターゲットとなる中小企業の決済者の中でインターネット利用に疎くWeb広告でカバーできない人たちは少なくないと思うので、HR EXPOや営業支援 EXPOなどでその層をテレアポより効率的に狙う。都内だけでなく地方からの来場者の獲得にも繋がる。

費用感・ノウハウの参考:展示会で1億以上の受注を作ったBtoBマーケターが語るノウハウとは

●流通:代理店もしくはOEMの募集

地方各地に向けてプロシェアリングを販売する代理店もしくはOEMを募集し、代わりに営業・販売してもらう。更に、そこで高いニーズが見えた地域から順番に拠点のオフィスを広げていく。

●商品:人事・経理BPOの新規事業

現状の提供サービスはプロの外部人材(スポットやハーフコミット型)の紹介やアサインにとどまっているが、企業によって人材不足で社内にもっと人手が欲しいという要望があるはず。

CASTER BIZをはじめBPO市場が賑わっており、サーキュレーションの既存会員の人事・経理系の母数も全体の20%近くあるので新規事業として始めるならこれが良い。

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ここまで進めて全然違ってたらけっこう笑うけど、でも調べた・考えたというプロセスがとても大事だと思うよ。


STEP6. 最後に、魅力を伝える

マーケティングトレースしていく中で、心から共感できる魅力が出てくるので、それを素直に書くと、自分の中で納得感が出る。それと企業側が記事で広まると喜ぶかも。

株式会社サーキュレーションの魅力

①コンサルティング業界の中でも、新しい分野に挑戦している会社である
(新事業:コンサル×人材 = プロシェアリング)

②企業が急成長しており、数年以内の上場も見込める環境

③採用基準としてビジョン共感性の高さを非常に重視しており、メンバーとのチームの一体感を味わえる

興味持っていただいた方むけに採用サイトも一応載せておきますー(こちらより)

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おわり

マーケティングトレースは以上ですが、いかがでしたでしょうか?皆さんの就活・転活に少しでもお役立ちできると幸いです。

Twitterでもマーケティングに役立つ情報を発信しているので、よかったらフォローしていただけると嬉しいです!

高橋 舞伎@シャベル代表/マーケター(@maiki_shovel)


P.S. マーケティングトレース Advent Calendar 2019 12/13の記事です

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