おもちゃのJEEPと、第六感。
久しぶりに、家族でショッピングモールに行った日の話。
夕方からオープンエアのモールで買い物や散歩を楽しみ、日本食レストランで BENTOやUDONなどをテイクアウトし、お外の適当なテーブルで夕飯を取り、さぁ、帰ろうかというタイミングで・・・。
うっかり寄ってしまった、おもちゃ屋さん。
「クルマほしい!」と3歳が言い出したので、ごまかし、ごまかし、店を出て、さりげなく、さりげなく、駐車場に進んでいたのですが、「クルマほしー!おみせもどるーー!!」と、大騒ぎになってしまいました。
ここまで訴えることって、珍しいんです。
なんというか、尋常じゃない雰囲気?
最初は「誕生日プレゼント、もらったばっかりだよね?」「また別の日に買おうね?」なんて説得していたものの、なだめようとすればするほど、激しさを増す息子さん・・・。その時ふと、母の言葉が頭をよぎりました。
『子供があまりに嫌がっているときは、無理に連れてっちゃダメよ』って。
その昔、兄が幼い頃の話。いつもの散歩道なのに、兄が突然行くのを嫌がったんですって。それでも母が兄の手をひいて歩き続けたら、兄が転んでけっこうな怪我をしてしまった、と。
子供の第六感、というやつでしょうか。
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私は一度「ダメ!」と決めたら、ダメだと子供たちに伝えてしまった手前、ムキになってダメを貫き通すことがあります。でも今回は、あまりに大泣きする息子に根負けする形で「じゃあ・・・お店にもどる?」と、1個だけ車のおもちゃを買うことにしました。
彼が選んだのは、すでに何台も持っているような、JEEPのミニカー。
お代は10ドル。
JEEPを手にした途端にスッと静かになった息子は、「ダディちゃん、クルマかってありがと」と言ったきり、何もしゃべらなくなってしまいました。
いったい何だったんだ?!と戸惑いつつ、どっぷり疲れちゃった私たち夫婦。やれやれと車に乗り、帰路についたわけですが、その直後にゾッとする光景を目にします。
パトカーが私たちの行くべきレーンを塞いでいる。3台の車による玉突き事故。わりと激しめの事故現場で、特に真ん中に挟まれた車は、前も後ろも潰れていました。
もしもあの時、騒ぐ息子を引きずって家に連れ帰ろうとしていたら?おもちゃ屋さんに戻っていなかったら?私たち家族は、あの事故に巻き込まれていたのでしょうか???
振り返って後部座席のほうに目をやると、JEEPのおもちゃを握りしめる息子は相変わらず静かで、まるで「役割は果たした」かのような表情に・・・思えなくもない。
さらに不思議なことに、買ったばかりのJEEPのおもちゃは翌日、遊びにいった公園で忽然となくなってしまいました。まるでスパイ映画に登場する、指令を伝えて自然消滅するガジェットのようです。
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この話の一番怖いところは、真相はわからない!ということ。
もしかしたら、ただ単に息子のわがまま&不注意で、10ドルを無駄使いしただけかもしれない。
もしかしたら、私たち家族は命拾いをしたのかもしれない。
ただ、私の母はいまだに「あのとき、あの子を無理やり連れて行かなければよかったなぁって、後悔しているのよ」って言うんですよね。
イヤイヤ期もあって判断が難しいのだけど、子供があまりに嫌がっている時くらい、「こうあるべし!」という親としてのスタンスを投げ捨ててもよいのではないか?彼らの第六感を信じてみても、よいのではないか?
そう思った出来事でした。
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