治りかけの傷口を。

新年早々、牡蠣のカラ剥きでザクザクと手を負傷した私。やっと治ってきたかな?もうすぐ完治かな?という頃に、傷口が疼き出しました。

痛い、というより、かゆい。

猛烈にかゆい!

凸凹の貝殻で負った指の傷口は、いびつなケロイド状になって赤く腫れている。ナイフでスパッと行ったはずの掌の傷口のほうも、なぜか赤く、ぷっくりと盛り上がっている。

しまった。

ちゃんと消毒しなかったから、傷口に不可解な物質が入り込んでしまったのかも(貝だけに)。

傷が治ってないのに、ゴム手袋もせず、いつもと変わらずバジャバジャと食器を洗っていたせいか。

きちんと薬を塗らなかったのが、良くなかったのかしら。

とにかく、かゆい!

かゆいかゆいかゆい!!

あまりに主張してくるので、治りかけの傷口が気になって、気になって、しかたがない。

一度、気が済むまで思いっきり掻きむしりたい(牡蠣だけにww)。でも、掻くのはなんとなくダメな気がするし・・・

『そうだ!もう一度同じところを切って、治し直そう!』

治し直す。

そんな言葉、あったかしら。

でもかゆさMAXで自制心を失った私は、治りかけた傷口を、うっかりもう一度切り開こうとしてしまったのです。

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物理的な傷口で考えると、いかにクレイジーな行動かがわかりますが。実は、見えない傷口に対しては、よく同じことをしているかも。

「あー、もうイヤだ。この人とは距離を置こう!」

そう思っていても、心に負った傷が治りかけると、その人のことばかり考えるようになり、訳も分からず、うっかりまた近づいてしまったり。

で、再び血まみれ。

「うげー、最悪だ。もうこういう行動はとらん!」

そう決めたはずなのに、打たれてへこんだ気持ちが元に戻りそうになると、ついまた挑戦してみたくなって、同じような行動を取ってしまったり。

で、ボコボコ。

もう、やめておけばいいのに。
傷が治りそうになると、うずいて、かゆくて、気になって。その傷を、もう一度切って開けてみたい衝動に駆られるのです。

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牡蠣にやられた傷口の、その後。

結局(というか、もちろん)傷口をもう一度開く・・・なんていうサイコサスペンス的なことはせず。なるべく掻かないように、なるべく触らないように、ギュッと我慢してみました。

すると、2~3日後にはかゆみが収束し、赤みも、ケロイドのような腫れもスッと消えていったのです。

なんだったのでしょうか。

治りかけの傷口の、最後のあがき?

悪魔からの挑戦状?

傷口を通じて、私は何かを試されているのでしょうか・・・。

治りかけの傷の誘惑には、気を付けろ。
そんな発見を得て、"牡蠣の殻負傷事件"は幕を閉じたのでした。

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