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『バビロン・ベルリン』シーズン5が今秋にクランク・インするそうです。

シーズン5が秋にインするとの事。
同時に原作の出版も再開するそうで、
配信が2026年と仮定すれば、原作とドラマ共に、
グランドフィナーレの可能性も無くはない。

このレベルのシナリオは、
書くというよりも、

編む、とか、紡ぐ、
という表現の方が、
相応しい、気の遠くなる作業だ。

シナリオ、演出、芝居、
技術美術ワーク、音楽、
すべてに渡って、
まさにワールドクラス。

トム・ティクバ健在。

本シリーズは、
歴史的背景と緻密なキャラクター描写が融合した、
壮大な歴史大河ノワールドラマだ、
脳と意識、インサイドヘッド、
デカルトの機械人間までエンタメ化。
(新語が必要なスケール!)

拳銃発砲で血だらけになった主人公が逃げ込んだトイレで、
初めてヒロインと出会う衝撃的なシーンから二人の関係は始まる。

出会った二人を近景に置き、
その背景にはワイマール共和国と、
遠景にスターリン派とトロツキー派の内乱を、
複雑に絡ませながら、
壮大なスケールで展開していく。

第一次世界大戦後の敗戦、貧困、
金融危機を経たベルリンでは、
新たな民主主義を目指す理想主義者たちが地下活動を開始していた。

名実共に国民のための国家を目指すワイマール共和国内で描かれるのは、
当時のベルリンの混乱と希望の入り混じる社会だ。

映画製作の分野でも、
アメリカの超大作映画に対抗し、
後にドイツ表現主義とも融合していく作品群や、
レニ・リーフェンシュタールとナチスドイツに繋がる描写も登場する。

これらはシナリオやストーリーよりもリアリティを優先させ、
大規模な自然パニック作品(現代と比較すると小規模)として制作され始めた。

この背景が、本シリーズのリアリティと深みを支えている。

壮大な闇社会をも描きつつ、
世界一の理想郷といわれたベルリンの反動がナチス台頭を生む激動の時代に、二人の主人公を放り込む物語だ。ラーテナウ暗殺を匂わせるエピソードも!

彼らのドラマを通じて、
観客はその時代の混乱と希望、
絶望と再生の物語に引き込まれていく。

歴史的事実とフィクションを巧みに織り交ぜた壮大なノワール、
視覚的にも心理的にも重厚なエンターテインメントが全シーズンを通して展開される。

「ラン・ローラ・ラン」で鮮烈にデビューしたトム・ティクバの独創的なテンポと、

「パフューム ある人殺しの物語」での臭い立つような描写力、
「ザ・バンク 堕ちた巨像」の、
空間を活かした演出技術は、
本作でも、全編に冴え渡っていて、
中でも圧巻なのは三文オペラのクーデターのシークエンスだ。

そして監督のみならずプロデューサー、

劇伴音楽のスコアまで作曲するティクバが、

歴史ドラマの新たなスタンダードを打ち立てたと言っても過言ではない。

ヘルメス・トリス・メギリトス

【蛇足】
「ラン・ローラ・ラン」の主演、フランカ・ポテンテが監督をした作品に私も参加した。

その時にテイクバの話しを詳しく聞いた。

フランカとティクバは、ヒロインと監督、
だけでなく・・・・
衝撃的な事実も聞いた・・・
youtubeで話して・・・ないか・・・

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