No.632 小黒恵子氏の詩-52 (もうすぐ春(シマリスのうた))

 こんにちは。小黒恵子童謡記念館です。

 今回も、「日本詩謡集」より小黒恵子氏の詩をご紹介いたします。

もうすぐ春(シマリスのうた)
                      
小黒恵子 詩

窓にさしこむ 明るい日ざし
耳をくすぐる すきま風
シマリス静かに 目をあけた
ふとんの枯草 しっとりぬくい
春 もうすぐ春

森の新芽の かすかな匂い
雪がしずくに かわる音
シマリス小さな あくびした
どこかで小鳥が チリリとないた
春 もうすぐ春

のぞく景色は まだまだ寒い
雪が枝から すべる音
シマリスクルミを なでてみた
残りの木の実が 気になる頃だ
春 もうすぐ春

風の口笛 日毎にゆるむ
谷の流れの はやい音
シマリスこっそり 窓あけた
ちぎれた雲が ぽっちり白い
春 もうすぐ春

1974年(昭和49年)5月1日発行 日本詩謡集1974年版 第10集 日本詩人連盟

小黒恵子童謡記念館は、現在、川崎市に遺贈され、リニューアルしてオープンしています。色々とイベントも行っていますので、当館ホームページでご確認ください。

  最後までお読みいただき、ありがとうございました。
  次回も、「日本詩謡集」より小黒恵子氏の詩をご紹介します。(S)

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