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No.608 小黒恵子氏の記事-28 (秋の叙勲3~勲四等瑞宝章受章の詩人~)

 こんにちは。小黒恵子童謡記念館です。

 今回も、小黒恵子氏が秋の叙勲を受賞された記事を紹介いたします。

いんたびゅう  勲四等瑞宝章受章の詩人 小黒恵子さん
   
童謡ひと筋いぶし銀
昨年秋の叙勲で勲四等瑞宝章を受章した高津区在住の小黒恵子さん。
「受賞するまで、色んな書類審査があって、それは大変でした」
小泉純一郎首相からも祝電が届けられた。
数々の童謡を作詞し、多くの子どもに夢を与え続けた。
中央大学を卒業後、英文タイピストやいけ花の師匠などを経て、詩人のサトウハチローに師事。1970年に童謡詩集を出版し注目を浴びた。その後出したレコードも高い評価を得、72年には日本作詞大賞童謡賞を受賞。
日本童謡協会の理事を長く務め、91年には私財を投げ打って自宅を改装、「小黒恵子童謡記念館」を建設した。
同館は明治12年に建築した、およそ一世紀の歴史を刻んだ骨格をそのまま残して改築したもの。銅板の緑の屋根棟にはブロンズのハトが三羽「平和のシンボル」として羽を休めている。
館内には大きなアンティークオルゴールが3体。ドイツ製とアメリカ製で人の背丈よりも大きい。そのほか全国から寄せられた童謡のレコードが約300枚。開館日は土・日曜の午前11時~午後5時、1月と8月は休館。入館料は大人500円、子ども200円
「この美しい地球に生きる悦びと幸せを、そして緑の自然と生物への愛と平和の心を、童謡を通して伝えたいと思います」
昨年7月、創設10周年を迎え、川田正子と森の木児童合唱団を招いて10周年記念コンサートを開き、大勢の子どもや母親に喜ばれた。
95年には「小黒恵子児童合唱音楽振興基金」を設立、全国の少年少女合唱団の活動を支援している。名づけて「花とライオン児童合唱音楽賞」。少年少女の音楽文化と情操教育の向上が目的。少年少女合唱団を対象とした音楽賞は全国でも珍しい。小黒さんの私財を基にした公益信託児童合唱音楽振興基金から受賞団体に助成金が贈られる。
第6回目の昨年は児童合唱団の音羽ゆりかご会(本部・東京都目黒区)が選ばれ、助成金100万円が贈られた。
音羽ゆりかご会は小学生を中心に関東地区の3歳から大学生までの120人の団員で構成されている。
地元・川崎にも合唱団はあり、「なぜ、選考に加えてもらえないの」などの要請も聞かれるが、「振興基金の趣旨は、全国的に幅広い合唱団から選考するもの。それに上野動物園の元園長の浅倉繁春さん、写真家の秋山庄太郎さんら運営委員が選考するので、私の一存では決められませんの」
童謡ひと筋の人生を送る小黒さん。
「次の世代を背負う子どもにいい歌を残して差し上げる。なんていい世界を選んだものかと満足しています」
聞き手・山田裕男

多摩川新聞 平成14年(2002年)1月1日

現在は、川崎市に遺贈され、リニューアルしてオープンしています。色々とイベントも行っていますので、当館ホームページでご確認ください。

  最後までお読みいただき、ありがとうございました。
  次回は、2002年に新聞に掲載された記事を、ご紹介します。(S)

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