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No.481 小黒恵子作品の批評記事-47 (うたのパレット評)

 こんにちは。小黒恵子童謡記念館です。

 様々な新聞記事等をご紹介しています。今回は、雑誌に掲載された小黒恵子氏の「うたのパレット」 批評記事 をご紹介します。

「甲木永二 美学教室 京阪神の美術展 評」  小黒恵子氏

 ◎美本「うたのパレット」を河合楽器の出版事業部(150 渋谷区神南、カワイ渋谷ショップ4F。電464・3029)で出版。かねて 私は、氏の詩作の大全乃至はエポックとして一樹大きな詩集が望ましいと思っておりました。童謡という人間世界の大きな山を何らかの形で作者御自身も周囲も、大きな山、懐しい路の溢れる次元として展望するステップとして呼吸(いき)の美学を大全性を帯びた本としてずしりと置かぬと惜しい人である、と。今、譜面付きで詩集が完成(52・12・20刊)慶事この上もございません。サトウハチロー、高木東六、「まつぼっくり」、谷内六郎諸氏を始め、詩や作曲の多くの氏――そうした径路が美しく一本に一貫してきている今回著は、すばらしくふっくらとしており画家と音楽家の協力にも感銘を深めます。西洋式にレーゾン・デートルという思い、詩の出自を透あらしめる営みがこんなにゆったりと現出したことに心からお祝いを捧げたく存じます。尚、後楽園の野球博物館に小黒詩がある由、お出向きの節は味わって下さい。小黒詩は今後も益々健在をつづけて下さるよう祈り、謹んでお祝し申し上げます。

セイレイと旅 昭和53年(1978年)5月28日

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
 次回は、1978(昭和53)年の雑誌への投稿記事をご紹介します。(S)

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