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No.634 小黒恵子氏の詩-54 (大きなリンゴの木の下で)

 こんにちは。小黒恵子童謡記念館です。

 今回も、「日本詩謡集」より小黒恵子氏の詩をご紹介いたします。

大きなリンゴの木の下で
                  
小黒恵子 詩

大きなリンゴの 木の下で
雨がやむまで 待ちましょう
誰にも聞けない 遠い日の
むかしの話を 聞きながら

遥かな野原 山越えて
道に迷った 旅人や
馬車でとおった 花嫁が
風にドレスを なびかせて
まっかなリンゴを たべたこと

大きなリンゴの パラソルで
雨がやむまで 待ちましょう
小鳥が運んだ 珍しい
世界の話を 聞きながら

絵本で読んだ 美しい
みどりの山羊(やぎ)の かける島
雲より高い 山に咲く
笛を静かに 吹くと言う
名前も知らない 花のこと

雨がやむまで 待ちましょう
大きなリンゴの 木の下で

1981年(昭和56年)1月1日発行 日本詩謡集1981年版 第17集 日本詩人連盟

小黒恵子童謡記念館は、現在、川崎市に遺贈され、リニューアルしてオープンしています。色々とイベントも行っていますので、当館ホームページでご確認ください。

  最後までお読みいただき、ありがとうございました。
  次回も、「日本詩謡集」より小黒恵子氏の詩をご紹介します。(S)

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