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shinsukesugie
Episode.8 姉との暮らしが終わる話
いつかはこうなるとわかっていた。
けど、思ったよりそれはあっという間に来た。
姉が「彼氏と同棲したい」という話をした。
結婚を前提として考えているという。
「ふーん、そっか。いいんじゃない」
私は、軽く返事をした。
誰と住んでも姉の自由だし、こういう時に面倒くさいことを言う妹でいたくないし。
でも、やっぱり寂しかった。
「別に今のままでもいいんじゃない?彼氏の家にはたまに泊ればさ」
とか、提案してみたり。
「親が同棲は嫌がるかもよ」
とか、親のせいにしてみたり。
けど結局、姉の決意は固くて。
こうして姉妹の2人暮らしは、2年間で終わった。
そして私は、実家に戻らせてもらうことにした。
それぞれ別に住んでいても、特に生活に支障はない。
たまに連絡は取るし、今のところ1・2カ月に1回は会えている。
だけど、生まれた時からずっと一緒に住んでた姉がいないなんて、変な感じだ。
けど寂しいのは私だけで、姉は今幸せなんだろうな、と思う。
幸せなのはいいことだ。このまま、ハッピーでいてほしい。
姉妹って、ケンカもするし、お互い比べて僻み合ったり、八つ当たりしあったり、決していいことばかりじゃないし。
私の甘ったれた末っ子気質に姉はうんざりすることもあったかもしれないし、私は姉のちょっとだけ短気な所にうんざりすることもあった。
でも、私が姉の幸せを思う気持ちは絶対に変わらない。
それだけはずっと確かだ。
おわり
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