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ペガサスが起こす天つ風

エトロのバックを買った。

学生の頃から身に纏うものすべてがハイセンスな彼女にそう伝えた。
ついにだ。

そのバックとは、父にたまたま連れて行ってもらったところで出会った。

ラグジュアリーなバックを持つのは、先の未来の話だと思っていた。まだ早いまだ早いそう思っていたのだろう。
ただ、もう出会ってしまった。
そう、エトロのペガサスに。

前日の仕事帰り彼女とお茶をしている時に、いつものように私たちの物語の話をしていた。私たちの物語を絵本にするなら、私はこのような見た目が良い。と。珍しく、具体的に。

馬のようなペガサスのようなものを身体に纏いたいと私は思った。軽やかに、華やかに。
そのような物語を話していた次の日に、目の前に現れたのだ。一度見たらこの子だなあと思った。

エトロは、世界の果てのような、異国のような、神聖な世界線ような、世界。
いつかはほしいと思っていた。それが今だった。
私はペガサスを手に入れた。
どこにでも行けるようになったのだと思う。
肩に読みきれない過去を持ち歩いてた時とは違うのだろう。
それは彼女が一緒に描いてくれているからだろう。


私たちの物語はまだ序章にすぎないらしい。

こないだ私たちは、目標という目標は基本的に概念という話をした。こちらは具体的ではない。
結末はまだ作りたくないのだろう。
人生100年時代であるのならば、まだ1/4にも満たないのだから。

200年後の魚の時代を見れないのが悔やまれるくらいだ。


さあ、これから私たちはどのような風を起こせるだろうか。
そよ風?波風?天つ風?






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