🏍【ゲストコラム】3年ぶりの復活！ 「#鈴鹿8耐」WEBライター初体験記 ～観戦編・復活のS～

2022年8月4日から7日にかけ、三重県鈴鹿市にある「鈴鹿サーキット」で開催されたオートバイレース「FIM世界耐久選手権“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース」。
 
「８耐」の愛称でも広く知られる日本が世界に誇るレーシングイベントですが、コロナ禍により2020年と2021年は中止に追い込まれた中で、今年は三年ぶりの復活を果たしました。
 
期間中は、「#鈴鹿8耐」がツイッターで常時トレンド入りするなど大きな話題に。以前（2017年）には8耐の裏側としてKabuto Active Channelにてレーシングサービススタッフの活動の様子を動画レポート*¹したこともありました。

今年はコロナの影響もあって広報ネタの取材仕込みは難しいかも…と話していたところ、WEB系で活躍中のライター氏がプライベートではじめて観戦しに行くと聞き、それならば、と体験談を書いていただくことに。
というわけで、ゲストライターが体験した初めての鈴鹿8耐の様子を、観戦編／場外戦*²と２回に分けてお届けしたいと思います。

🏍はじめてのバイクレース観戦、はじめての「鈴鹿8耐」

と、まずは僭越ながら自己紹介を。
 
オージーケーカブト公式noteをご覧の皆様はじめまして。本稿を執筆する「向山（むこうやま）純平」と申します。現在はフリーランスの立場で、マーケターやライターやライバーとして活動しております
 
じつは私、まったくのバイク初心者。バイクとの関わりは学生時代に原付を利用していた程度。かといってサイクリストというわけでもなく、つまりKabutoのヘルメットに接点を持ったのも、WEB方面で一緒に仕事をするようになったタイミングでした。ですので、今回の鈴鹿8耐観戦は、私にとって人生で初めてのモータースポーツ観戦だったりします。
 
一方、私自身は生来のスポーツ観戦好き。ジャンルは多様で、Jリーグや野球、またKabutoさんの本社がある大阪府東大阪市にて「花園」を観戦するのは、年末の楽しみだったりします。なので８耐を観戦するのは、いちスポーツ観戦好きマンとしては大いに楽しみでありました。

⏰想定外の「タイムロス」

今回筆者が訪れたのは、2022年8月7日。決勝レースが開催された日です。
 
前日には、兵庫県西宮市にて「夏の高校野球」が甲子園球場にて開催。3年ぶりに「夏×スポーツ」が体感できるようになってきた中、自宅から車で鈴鹿サーキットに向かいました。
 
先述の通り、初のモタスポ観戦な私ですが、それすなわち「初鈴鹿」でもあります。自宅からの「距離感」を掴めないままハンドルを握ることになったのですが、意外と近いことを実感します。2時間もかからないうちに鈴鹿に到着しました。
 
がしかし。掴めていないものはやはりありました。それは「熱量」。鈴鹿インターからサーキットまで到着したはいいものの、駐車場に近づくにつれ大渋滞に。
 
ようやく駐車場に着いたのもつかの間。係員の人より「予約」確認を尋ねられました。え、駐車場に予約が必要なの……？サイトにある情報に書いてあったのかなあ。見落としていたようです。
 
眼前にあるサーキット入場が許されず、指定されたHONDAの工場まで向かうことになった筆者。結果、鈴鹿インターから1時間、入場するまでに“初見殺し”が続くニチアサ。まあ3年ぶりやから、そらお客さんよーさんおるわなあ～。（註：筆者は生粋の関西人です）

❤️‍🔥3つの「熱量」

さて、筆者はサーキットまで約2.6キロを徒歩で移動する羽目となったのですが……暑い！
 
例年以上の猛暑となっている2022年。それは決勝レースが実施された8月7日も同様でした。最高気温で36度を記録した当日ですが、午前10時の時点でも猛烈な暑さ。水分補給をしながら滝のように汗が噴出するという、これがホントの「流れ作業やな！」なんて笑うに笑えないセルフツッコミをしつつ、ただ黙々と“行軍”していきます。

約30分後。遂に鈴鹿サーキットに到着しました！ここまでで随分と体力を消費してしまいました……。
ってレース場なのに観覧車があるぞ！？「鈴鹿サーキット」なので、周囲はレース場のみと考えていましたが、レジャー施設も併設されているんですね。昨今ですと、プロ野球では「ボールパーク構想」など、スポーツ施設を起点とした街づくりも徐々に進んでいますが、鈴鹿サーキットは先駆者ともいえるのかもしれません。

さて、ようやっとの施設内入場です。それにしても観客の「熱量」がすごい！筆者のような「バイク初心者」でも耳にしたことがあるのが「鈴鹿8耐」ですが、バイクファンからすればそれは一大イベント。しかもコロナ禍で2年間中止に追い込まれていました。「我々は3年待ったのだ！」と心の声で叫ぶ人がいても何ら不思議ではありません。

個人的に印象だったのが、ファミリー連れが散見されたことでした。なにぶん「初心者」のため、若干の先入観があることはお許しいただきたいのですが、鈴鹿8耐はいわゆる「バイクレース」なので、来場者の年齢層は高いと勝手に予想してました。アミューズメント施設に注力しているのは、キッズ層を意識しているんですね。

🎗「60周年」

ところで2022年は、鈴鹿サーキットができて60年目のメモリアルイヤー。そのため、至るところで記念幕などが掲げられていました。

自分の親と変わらない年齢から存在すると思えば、日本のモータースポーツの歴史の長さも実感できるというものですね。ちなみに今年60周年を迎えるのは、他には「首都高速道路」「後楽園ホール」や、「タツノコプロ」「おそ松くん」などがあるようです……。

レース場までの経路には、お土産店やレストランなどがありましたが、そこに立ち止まる来場者はほとんどいません。皆、レース場へと黙々と突き進んでいきます。
 

いよいよ入場口までやってきました。ここでレースのチケットをもぎり。いよいよ8時間にわたる激闘の舞台に到着です。長かった……(笑)

🎡圧倒的な広さ！

いよいよレース観戦。なお、筆者は今回「自由席」チケットを購入しました。まずは、“ベーシックプラン”から8耐を体感してみようというのが選定理由です。
が、観客席までにはまだしばしの「お散歩」が必要な模様。取材するにあたり、事前に予習はしていた筆者ですが、いざ降り立ってみないと、本当の「距離感」はつかめないものですね……ふぅ。

ようやく席まで到着しました。いやあ長い旅だった！現在の時刻を確認してみると……午前11時！？レース開始30分前やないかい！ひとまずとめぼしい場所に着席し、止めどなく乾く喉をひたすらに潤わせながら、スタートの時を待ちます。
 
それにしても広い！筆者はこれまで様々なスポーツの観戦経験がありますが、これほどの広大さは初めてです。
 
しかしそれは、特定の場所からコース全体を視認することが物理的に不可能であることを意味します。モニターはありましたが、それも申し訳程度のサイズ感。スタート前に試走が実施されていましたが、「ブオンブオン！」という爆音とともにやってくるマシンおよびライダーを応援するというスタイルですね。

🇯🇵8時間耐久レーススタート！

あれこれ分析しているうちに、いよいよスタートの時間になりました。40台超のバイクがいっせいに爆音を鳴らして、いざ発進！
 
先ほどとは打って変わって、猛スピードで各マシンが次々に駆け抜けていきます。レーサーなのにヘッドライトを装備していて、昼間から光らしているのは耐久レースならではだそうですね。それにしても臨場感満載です。

次の周回までの“待ち時間”もあっという間。これを8時間続けるというのだから、スポーツの特徴としてはいたってシンプル。ただ間違いなく過酷です。この時期になると、スマートフォンが熱にやられがちですが、それはバイク・ライダーも同様です。各チーム3名が出場しているので、計画的な「ブレイクタイム」が勝利への近道なのでしょう。
 
しかしながら、ひたすら観戦するのも少々根気が必要です。観客もそれは織り込み済みなのか、持ち込んだテントでのんびりしている方もいました。その発想はなかったわ……。
 
と、ここで現在時刻を確認してみると、ランチタイムになっていました。少々お腹もすいてきたことですし、食事がてら散策にまいりましょう。
（ブース巡り「場外戦」は後日公開予定）

 🏟デーゲームからナイターへ

ここからはレース後半の様子を紹介。夕刻となり、容赦なく照り付けていた日差しも小康状態になりました。冷静に考えると、真夏の日中の変遷をモータースポーツで体感するのは、あまり得られない経験ともいえるのかもしれません。

レースも佳境を迎えてきましたが、ライダーたちは引き続き周回を重ねていきます。スタート直後とそう変わらない光景です。
 
炎天下の日中と比べると、多少は快適になってきました。若干ですが風も吹いてきています。観客たちもゾロゾロと戻ってきていました。筆者と同様に、レーサーたちの勇姿は見守りたいという心境なのでしょう。
 
8時間もの長丁場の鈴鹿８耐ですが、時間帯でいうと午前11時30分から午後7時30分までとなります。真夏の8月の開催ですが、最終盤になると空は夕暮れのち夜空に。灼熱のレースが、マシンのヘッドライトが煌びやかに輝くナイターへと変貌していきます。

最後のひと踏ん張りとばかりに、ライダーたちも奮戦します。しかしここでクラッシュが発生。セーフティカーが出動する事態に。一般社会でも「薄暮」は交通事故率の高い時間帯ですが、それは鈴鹿８耐も例外ではありません。

いかにプロのライダーが走らせているとはいえ、真夏の長丁場でスタミナは著しく低下。それでも避けなければなりませんが、しかし極限状態で集中力を保つのは、相当に骨が折れるミッションです。 
いくつかアクシデントがありながらも、無事にチェッカーフラッグとなりました。周囲を見回してみると、ペンライトを振り回しながら、出場ライダーたちの奮闘にねぎらう観客たちの姿が。スタンディングオベーションされる方も見られます。そしてそれに応えるライダー。中々幻想的な風景です。

スポーツ大会ですので、そこには「勝者」と「敗者」が存在するわけですが、レースを終えた後のライダーたちは、さながら「オール・ウイナーズラン」とでも形容できるものでした。初体験の筆者も、この瞬間は言葉にできない、相当感慨深いものでした。

🦑スルメ的魅力を持つ「鈴鹿8耐」

「8時間も見てられるかなあ？」と、当初は不安もあった「鈴鹿8耐」。いざ体感すると、あっさりと払拭できるものでした。寧ろ時間の使い方について、色々改善の余地があるなと感じたほど。そもそも4日間にわたる大会ですので、決勝レースも8耐の一部にすぎません。
 
会場内で筆者が印象的に感じたのが、各々の観客がそれぞれの「８耐の楽しみ方」をしている点でした。
 
テントや座席でのんびりと観戦する人、ライダーたちの一挙手一投足をファインダーに収める人、食やイベントブースを満喫する人、鈴鹿サーキットを楽しむ人……。「正解」が無数に存在するからこそ、多様性に富んだスポーツイベントともいえますね。
 
これは何度も何度も経験してみてはじめて魅力が実感できるという、「スルメ」的要素のあるイベントではないでしょうか。だからこそ、コロナ禍による中断期間はあったものの、40年以上もの間継続しているともいえますし、「何としても復活させる」という関係者の執念の賜物のように感じました。

🏁👇鈴鹿８耐公式HP・正式リザルトはこちら👇

公式HP＝　https://www.suzukacircuit.jp/8tai/

＊1👇Kabutoレーシングサービス＜ライダーと共に戦った鈴鹿８耐の記録＞@2017 鈴鹿８時間耐久ロードレース👇

＊2「#鈴鹿8耐」場外戦はこちら👇

＜執筆・ライター＝向山純平＞
フリーランスの立場で、ライター・マーケター・ライバーなど幅広いジャンルで活動するパラレルワーカー。スポーツ観戦は大好きだけど鈴鹿8耐は初観戦。17LIVE：@mjrabbit37

Tweets by mjeynk37

向山 純平（Junpei Mukouyama）｜note