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「ラジオ体操はダサい。」

夏が来れば思い出す

 「夏が来れば思い出す はるかな尾瀬 とおい空」は、誰もが知っている有名な歌「夏の思い出」の歌い出しだ。だれにも、夏の思い出があるだろう。私の場合、それは、ラジオ体操。

子ども時代のラジオ体操

 やっと梅雨が明けて夏が来た、そして、子どもたちは夏休に入った。ウチの子どもたちは4月と5月は学校に行けなかった。学校は、学業の遅れを取り戻すためにも夏休みを短くしたし、これは、全国的にも同じ様子のようだ。夏休みに入る前、学校からもらって帰ってくるのがラジオ体操出席カード、今年も持って帰ってきた。私の子ども時代と変わることのない、夏休みが始まる合図のような慣習だ。それは、多くのみなさんにも記憶があることだろう。カードを自宅に持って帰り、まず真っ先にやることといえばパンチされた穴にヒモを通すことだった。ほとんどの子がやるように、私も首にかけるために穴にヒモを通した。ヒモといっても、それは母が用意した毛糸だった。穴に毛糸を通し、名前、学年、クラスを書いたら玄関先のポールハンガーに引っ掛けたものだ。だから、夏はオヤジの野球帽や母のハットがかかるハンガーの一部は、私たち兄弟のカードかけになった。

本当の楽しみは

 夏休み中のラジオ体操会に参加するのは楽しかった。ただ、正確を期して言えば、ラジオ体操自体は楽しくなかったのだが、ラジオ体操の直後から始まる近所の子どもたちとのドッジボールが楽しかった。毎朝、オヤジに起こされて近所の消防署の駐車場に向かった。オヤジはいつも張り切ってラジオ体操をやっていた。体の動きは大きく正確、子どもたちの模範となるように心がけていたのかもしれない。一方、子どもの私といえば、ラジオ体操をマジメにするなんてかっこ悪かったし、そもそも「ラジオ体操はダサい。」と思っていた。だから、私の体の動かし方はテキトーだし、そもそもオヤジのようにハツラツとやるなんて恥ずかしかった。ラジオ体操へ行く目的は、健康維持や体力づくりなんかではなく、ドッジボールとカードにハンコを押してもらうことだった。ハンコを押してもらうことを子どもたちは競い合っていた。ラジオ体操第二の終了が近づけば、真っ先にカードにハンコを押してもらおうと、じわりじわりとハンコを持つおじさんに近寄っていった。「まだ出てきちゃダメだよ!」と叱られながらも、子ども同士の順位争いは止まらなかった。いつも一番とは行かなかったが、比較的早い方だったことは間違いなく、そのハンコを押してもらったら「さあ!いつものドッジボール!」という具合。それが、夏が来れば思い出す はるか昔の思い出だ。

ラジオ体操90年

 2018年、ラジオ体操は90周年を迎えた。ラジオ体操の歴史を知りたければ(株)かんぽ生命保険のホームページが参考になるのでご覧いただきたい。他にもネット検索してみると、ラジオ体操はスウェーデン体操を参考にしたとの記載があった。私も良く知らなかったのだが、スウェーデン体操の特徴は徒手体操であり、徒手体操とは、器械を使用しないで自分のカラダの各部を動かす体操ということらしい。この記事には引き込まれた。新しい情報に「なるほど〜。」と関心しつつ、私の心はとてもウキウキした。なにしろ、スウェーデンだそうだ。「そうか!そうだったのかラジオ体操!」とやけに気分が高揚した。なにせ、私の脳裏に思い出されたのは、1993年スウェーデンのファールン市で行われたノルディックスキー世界選手権大会。「ノルディック複合で金メダルを獲得した、あの国じゃないですか!」これでさらにラジオ体操が好きになってしまった。北欧は良いところ、スウェーデンは大好き。これからもっとラジオ体操に励みたいと思います。ところで、みなさん良くご存知の肋木(ろくぼく)。学校の体育館の壁にあって、それを使って遊んだ記憶のある方も多いのではないだろうか。あの肋木もスウェーデン体操由来なんだとか。もう、こうなったら自宅の壁に設置したい気分だ。肋木にぶら下がった、あの懐かしい記憶を取り戻したい。背筋を気持ちよく伸ばしたい。あの、木のぬくもりをもう一度・・・。

毎朝のラジオ体操

 毎朝、ラジオ体操をライブ配信している。有料会員に簡単なストレッチや筋トレを紹介し、NHKラジオ第一放送に合わせてラジオ体操をする。始めてからおよそ4ヶ月。朝のわずかな時間のわずかな運動を通じて、心から「毎日続けることが大切だ。」と実感している。

ほぼ毎日ライブ配信、体操クラブはこちら↓


もちろん、強い負荷をかけた運動や息の苦しい持久走など「ぜぇーぜぇー、はぁーはぁー」する運動が好きだ。自分自身、やや職業病的だと思うのだが、そうでもしないと運動した気がしない。でも、これは毎日続かないのが正直なところ。ラジオ体操の良さは、毎日続けられるところ。ラジオ体操でカラダの調子が良いし、締まった感じもする。


8月11日、12日、13日の朝6:20〜ライブ配信します!

 この夏、地域の自治会や子ども会が行う、朝のラジオ体操会が中止となったところが多いようだ。現下の状況では、開催は困難と判断せざるを得ないだろう。でも、日本の夏の風物詩でもある朝のラジオ体操がなくなるのは残念で仕方がない。でも、残念だからといって、諦めるのはまだ早い!そう、私たちにはオンラインがあるのです。子どもたちの「この夏も、みんなでラジオ体操した。」事実と思い出をつくりましょう。家族が一緒になってラジオ体操した記憶をつくりましょう。

8/11~13は、荻原健司のFacebookページから無料ライブ配信します!↓

さあ、ご一緒に

ラジオ体操はダサいと思っていた私こそが、元気よく、爽やかに、カラダの各部を美しく動かしながらラジオ体操します。ラジオ体操90年。これだけ続いたラジオ体操に、流行り廃りはない。さあ、みなさんご一緒に!



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