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駅徒歩10秒、焚き火と映画とコーヒー、焼き芋も

あらためて、昨日の夜は書店のある桜ヶ丘駅前のロータリー内で「桜の木の下映画会」を開催しました。

駅徒歩10秒で焚き火と映画、焼き芋とコーヒーと焼きマシュマロ笑

駅前のロータリーで、焚き火を囲んで映画上映会

神奈川県大和市。小田急江ノ島線の桜ヶ丘駅は典型的なベッドタウン。昼は閑散としている駅前も、夕方から夜にかけて帰宅の人々がぞろぞろと駅から排出されていき、皆無言で、特にどこに立ち寄ることもなく自宅に直行していく。

駅前の商店街もシャッターばかりで、帰宅の人々が寄って行こうかと思うお店もない。

寄る店がないから桜ヶ丘で消費せず、消費しないからまだ頑張っている店も体力が尽き、シャッターが増える、からこそさらに消費する気にならない。

そんな典型的な地方都市のベッドタウンに事務所を構えて4年。書店を開設して2年半。この間にも商店街にシャッターはさらに増え、目に見えて下降線を辿っていく駅前。

焼き芋が美味い

桜ヶ丘は、その名前の通りに桜の名所。書店のある東口のロータリーの真ん中には、立派な桜の木が2本並び、春はものすごく綺麗なロータリーになる。

以前から、桜の木の下のロータリーにある小さなスペースが使えないかと感じてきた。桜の木の下に集う、というのは日本人の情緒を刺激する。柳の木の下だと幽霊出そうだけど、桜だと冬でも気分が高まる。

小田急電鉄のまちづくりの部署の方と知り合う機会を得て、相談してみたところ、ロータリー自体が小田急の土地であり、ぜひ荻田さんの好きに使ってくださいと言葉をいただいた。

では!ということで、以前から考えていた映画上映会を開くことにした。

マシュマロを焼く。芋を焼く。食べる。美味い。嬉しい。

書店を開設したのも、駅前に文化的な香りがしないことからの反動だった。

「焚き火なんてできないですよね?」と小田急さんとの話で切り出したところ「焚き火!いいですね!焚き火やりましょうよ!」と話がスムーズに決まった。

大和警察署に道路使用許可をとり、大和市役所の道路管理課に相談に行き(ロータリーの桜の木の下は、大和市の管轄する道路ではないので無関係です、というこちらとしてはありがたいお役所的な返事をいただきクリア)、大和市消防本部へ「火煙発生届出書」という焚き火をする届を出し、映画上映の著作権に関しては以前ウチの店内でも上映会を開いた映画の配給を行う野崎さんに相談し、無償で上映できることとなる。

近くのカフェかじふちさんで「うちでコーヒー振る舞いますよ」と言っていただき、3駅隣の私もよく行くネパール料理屋「チャンドラ・スーリヤ」からも、店主のリエさんと常連さんたちがお手伝いに来てくれた。

桜ヶ丘駅東口。小田急線きってのマイナー駅のひとつ

焚き火では、焼き芋を焼き、マシュマロを割り箸で焼いて食べる。子供たち大喜び。「今日って、朝までやるの?」と6歳くらいの男の子。

一番人がいそうだな、という時に数えてみると85名。出入りもあったので約100名がやってきた。結果的に、ちょうど良い人数だった。多すぎず、少なすぎず。

「桜ヶ丘にこんなに人がいたんですね」と、冗談交じりに語る人も。

帰宅ラッシュの時間帯に、駅を降りるといつもは無人のロータリー中央で、焚き火をしながら映画を見る一団の姿は、知らない人たちには奇異に写っただろう。ほとんどの人が、こちらを振り返りはするが、遠巻きに眺めるだけで去っていった。

チャンドラ・スーリヤからはパンダも笑

でも、それで良い。これが続いていくと「あれ?またなんかやってるな」と、気になる人が増えていく。

いつも同じ電車で帰ってくるのに、よく見かけるけど喋ったこともない人。桜ヶ丘で寄る場所もないので、お互いに行き過ぎるだけで関係を結ばなかった人が、駅前で出会う機会になるかもしれない。

そういう積み重ねが、土地への愛情を生み、誇りにつながるはず。

今回の予算は、私が使ったのは2万円くらい。スクリーンもプロジェクタもスピーカーも、椅子も焚き火台も、もともと書店の備品として持っていたもの。道路使用許可の証紙代2000円、近隣のお店やお客さんなどに配るチラシの印刷に5000円、消火器の購入に5000円、消耗品の購入に5000円、そのくらいかな?2万円も使ってないかも。

さて、次は何を企画しようかな。昨日の最後、年末に餅つきやりたいという声もあったので、餅つき楽しそうだな。

次回の参加、お待ちしています


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