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こんな投稿もヤバい
 この他にも、例えば

「私は月・水・金の塾の帰りは、このコンビニでホットコーヒー飲むんだ。今日も疲れたー!(22:08)」

といった投稿は、書くよりも書かない方がマシです。「そうか、夜になると周りが真っ暗、客も来なくなるあのコンビニに、月水金の22時過ぎ、高校生が1人で買い物に来るのか……」なんて考える人間がいるかもしれない。だから、書くより書かないほうがマシです。また自分が今いる場所

「わあ、○○バス停、こんな時間なのにバス来ない……まわり真っ暗だし、誰もいなくて怖いよ(21:34)」

みたいな投稿も、書くよりは書かない方がマシです。「そうか、今あのバス停に行くと、あの暗がりの中、子供がたった一人でバスを待っているのか……行ってみよう」なんて立ち上がってしまう人間は、たいてい、変態か、犯罪者か、変態の犯罪者かのどれかです。どれも来ちゃダメなやつ。

 もちろん、こんな細かいことまで気にしたらキリがありません、何も出来ません、生活できません。本気で対策するなら、そもそも家の表札だって個人情報、隠さなきゃいけなくなるし、出掛けるときはドラえもんのお面を被らなきゃダメです、顔だって個人情報ですからね。
 だから知ってほしいんです。そこまでやる必要はないし、そもそもそんな生活は不可能ですが、「そういう事もあるんだ」と知る。それで十分です。知るだけで自然と注意できるから。でも、知らなかったら何も始まらないんです。気をつけることすら出来ないんですよ。さっきの日記を書いた女子大生は、それを知らぬまま大人になった。だからあんな日記を書いてしまったんです。知るって大事でしょう。みなさんは今、知った。もう大丈夫です。

友だち限定なら大丈夫?
 今、皆さんの中に、こう思っている人がいるハズです。「イヤイヤ、大丈夫。自分はね、ヤバいものを投稿する時には、ちゃんとSNSの設定を変えて、友だち限定、拡散しないように制限かけてるから大丈夫だよ」、こう考えている人、いるんじゃないですか? 残念ですが、そんな都合のいいインターネットは地球にありません
 例えばある高校生が「ヤバいもの」、絶対に炎上するようなヤバいやつをSNSに投稿します。でも炎上なんかしたくないので、友だち限定、拡散出来ないように制限を付けての投稿、安心です。
 でも、わざわざそんな手間をかけてまで、友だちに見せたモノってなんですか? 誰かに見せたかったモノですよ。それを受け取った友だちはどう思うか。やっぱり誰かに見せたくなります。でも投稿には制限がかけられているので、それ以上は拡散できません。その時、人間はどうするか? ごくごく自然とこうします。

“カシャッ”

 スクショですよ、スクショ。画面の写真、スクリーンショットを撮るんです。しかもこの時、誰も「拡散させよう」なんて思っていません。悪気もありません。「面白いから信用できるオマエにだけ見せてあげる」の繰り返し。そして拡散は一瞬です。
 地球にスクリーンショットがある限り、友だち限定のSNSなんてありえません。動画だってチャットやメールだって、拡散パワーを持った内容であれば、必ず漏れ出します。
 たまに「このアプリは大丈夫、スクショも動画も保存出来ない制限付きだから」という子がいますが、保存なんてカンタンですよ。保存したい画面を開いて、机の上に置いて、別のスマホで撮影すればいいんです。「画像」でも「動画」でも自由に保存できますよね。保存できない投稿なんて、本当に存在しないんです。

続く→⑦「すぐに消すから大丈夫?」

筑摩書房「大人を黙らせるインターネットの歩き方」より抜粋
 ①「私のことは忘れてください
 ②「ツイッターでヘリが来た
 ③「アイスケース炎上
 ④「なぜ身元がバレるのか
 ⑤「個人情報は載せていなかったけど
 ⑥「こんな投稿もヤバい
 ⑦「すぐに消すから大丈夫?
 ⑧「炎上の本当の恐ろしさ
 ⑨「ネットで絶対に失敗しない方法とは

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