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【不調を抱えるあなたにお勧め】不器用な自分をちょっぴり愛せる映画8選

こんにちは、yukiです。昨日はしっかり雨が降り、ジメジメ湿度の高い季節が近づいてきました。体調も崩れやすい季節の変わり目、いかがお過ごしでしょうか。わたしは梅雨を目前に、今年はどう乗り切ろうかと、画策しています。

さて、今日は栄養学ではなく、映画のおはなしです。ただの趣味のおはなしではなく、「あぁ、なんで自分ってこうなんだろう…」と自己嫌悪に陥った時や、人生が空虚に感じた時にお勧めな映画をまとめてみました。経験上、体調不良が長引くと、先の見えない状況に耐えられず、メンタルが落ちてしまうことが多々ありました。「もう、生きるのがいや。そんなことを考える自分もいや。」と、負の底無し沼に足を踏み入れてしまうのです。

そんな時、救ってくれたのが映画やアニメの存在でした。気分が落ちているので、キラキラしたヒューマンドラマは光が強過ぎて直視できません。ですが、自分と同じように、こじらせ系主人公の物語はすーっと共感できて最後には希望も見せてくれて、心地良いひとときを過ごすことができたのです。自力で自分を客観視することは難しいですが、物語を介することで人生を俯瞰できることが映画の良いところですね。「不器用な自分でもまぁいっか」と、肩の力がふっと抜ける、そんな映画を8つピックアップしてみました。

コントラクトキラー

フィンランドの巨匠アキ・カウリスマキ監督の作品。リストラされた主人公アンリ(男性)が自殺を図ろうとするも、ことごとく失敗し、殺し屋に依頼。しかし、その直後、恋に落ち、依頼を取り下げようとするも殺し屋に追われ…というブラックユーモア満載なコメディ。本当、生きるのが下手くそすぎるアンリ。絶望の縁から、たったひとつの恋で生きることに執着する描写が素晴らしいし、可愛らしい。悩んでいることがちょっと馬鹿らしくなっちゃいます。(しがないバーに登場するしがないミュージシャン役のジョーストラマーも必見です。)

きっとここが帰る場所

パオロ・ソレンティーノ監督のロードムービー。こちらもブラックユーモアあり。大人になりきれなかった元ロックスターのおじさんの遅れてきた成長物語、と言えば聞こえはいいのですが、登場人物も物語も、とにかく変。主人公シャイアンはロックスターでしたが、憂鬱な歌詞に影響され兄弟が自殺したことをきっかけに引退。売り買いするだけの株で空虚に儲けながら、空っぽの豪邸に、妻と愛犬と暮らしています。白化粧はまさに大人になれない仮面の証。そんな抜け殻のようなシャイアンが、ホロコーストに収容されていた父の代わりにナチの残党を追って旅に出るというストーリー。空っぽなシャイアンが、旅での出会いを通して変わる姿に、少し勇気をもらえます。あと、デイヴィッド・バーンのライブシーンが最高です。

アスファルト

フランス郊外の寂れた団地で繰り広げられる、孤独を抱えた男女六人の群像劇。世間とちょっとずれた人たちを愛を持って描いたようなオフビートな映画です。<冴えない中年男性と看護婦><少年と落ちぶれた女優><不時着した宇宙飛行士と移民のおばさん>というかなり独特な設定の3組が登場します。共通点は、それぞれに孤独を抱えているということ。その孤独を強調するかのように、殺風景な絵で乾いた空気が伝わってくるのですが、観終わった頃にはほっこりと温かい気持ちになれる素敵な映画です。

ブロークンフラワーズ

オフビート映画の巨匠、ジム・ジャームッシュ監督の作品。お金はあるが無気力な生活を送る中年主人公ドン。ある日匿名の元恋人から手紙が届き、自分に19歳になる息子がいることを知り、息子を探しに元恋人5人を尋ね回るというストーリー。ビル・マーレイの哀愁漂う演技がなんとも心地いい。息子に会えたかどうかははっきり描かれない本作。ラスト、息子と同年代の青年から助言を求められた際に返した言葉に全てが集約されていました。最新作、パターソンも、ラストのこの一言のための90分!という映画です。

愛おしき隣人

ロイ・アンダーソン監督の、人間讃歌がたっぷりつまった映画。「北欧のとある街のちょっとおかしな住人たち。隣のリビングをのぞいてみれば愛おしい人生たちがあふれ出す。」という宣伝コピーの通り、なんてシュールで、なんて人間って愛しいんだ、と感じました。何かしら現状に不満を持った登場人物たちを監督の鋭い観察力をもって描いた本作。百聞は一見にしかずということで、こちらの女性の歌う姿を見れば言葉はわからなくとも雰囲気は掴んでいただけるかと思います。「誰も私のことをわかってくれない」と歌うしゃがれ声の女性(2分38秒〜)が最高。

リトル・ミス・サンシャイン

これまでの作品とは違って、万人受け間違いなしの映画です。クセが強すぎるフーヴァー家のロードムービー。売れない自己啓発セミナー講師の父、お金の心配が耐えない母、引きこもりで偏屈な息子、容姿にちょっぴり自信のない娘、やんちゃな祖父、自殺未遂を起こしたゲイの伯父。一家を象徴するかのうなポンコツワゴンに乗って娘オリーヴが出場するミスコン大会へ向かうというお話。負け組万歳!!家族万歳!!と清々しい気持ちになれる素敵な映画です。

バグダッド・カフェ

ミニシアターブームの火付け役となった名作。旅行中、砂漠のど真ん中で夫婦喧嘩をしたジャスミンが一人辿り着いたのはさびれたモーテルが併設したカフェ。特に大きく物語が動くことはなく、モーテルに集うちょっとおかしな人たちとの交流を描いた作品。気候だけでなく心もパサつくカフェの住人たちが、ジャスミンとの交流で次第に心に潤いを取り戻す姿が描かれています。劇中流れる「Calling You」は聞いているだけでうっとり癒される神曲です。

SOMEWHERE

ソフィア・コッポラ監督の作品。きっとここが帰る場所、ブロークンフラワーズに続き、空虚な男性が主人公。この記事内で空っぽ男三部作と名付けたくなります。ストーリーは至ってシンプル。何もかも手に入れたハリウッドの大スタージョージが自分の空っぽさに気付き、涙し、旅立つ、という流れ。その虚無感の描写が淡々としているけど、一瞬一瞬が際立ち魅入ってしまいます。娘クレアとのシーンが特に見所。グルグル同じところを運転するオープニングに始まり、一本道で車を乗り捨て、SOMEWHEREに向かって歩き出すオチがとっても素敵でした。

以上、8作品を紹介させていただきました。思い返せば、LUCKYや孤独のススメ、風が吹くままなども過ぎりましたが今日はここまで。そこまで映画に詳しいわけではないので、このラインナップをご覧いただき、オフビート系に限らずお勧め作品があればぜひ、教えていただきたいです。

最後に、不調が続くと希望を持ち辛いですが、どんな物事にも終わりは必ずおとずれます。そのときが来るまで、肩の力を抜いて、不調にも愛おしさを感じられるほど余裕を持って(そんなのできませんが)人生を味わいたいものです。

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