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映画『ミステリと言う勿れ』を見て

 今回のテーマは、映画『ミステリと言う勿れ』。一見、庭園とはなんの関係もないように思われがちだが、群馬の楽山園、そして横浜の三溪園をロケ地にしているという意味で、れっきとした庭園映画である。というわけで、まずは簡単なあらすじから見ていこう。


 主人公の久能整(菅田将暉)は、美術展を見に広島を訪れていた。そこで、高校生の狩集汐路(原菜乃華)と出会う。半ば強引に、狩集家に連れられた整は、過去には死者まで出たという狩集家の遺産相続をめぐる問題に巻き込まれていく。
狩集家のメンバーとしては、狩集汐路の他に、狩集理紀之助(町田啓太)、赤峰ゆら(柴咲コウ)、波々壁新音(萩原利久)という豪華俳優陣。彼らの親たちはみな、交通事故により、命を落としていた。4人は謎解きをしながら、自分たちの親の死と向き合い、狩集家の真実に迫るーーー。


 さて、この映画を私がここまで楽しみにしていたのには訳がある。結論から言うと、私たちが群馬の楽山園を訪れた際、なんとたまたまロケに遭遇したのである。驚くほど突然のことであった。もちろん公開前にロケ地を公表しているはずがなく、いわばまじの偶然。しかも、その日は富岡製糸場の庭園鑑賞をメインのイベントとしており、楽山園はサブ的扱いだった。その楽山園での有名ドラマのロケ遭遇は、私たちにとってかなりの棚ぼた展開だったのである。


 楽山園に入る前、たしかに受付の方に、「今日は撮影が入っていますので、すべての順路は巡れませんが大丈夫ですか?」と断りがなされた。その時は、庭園で撮影といえばフォトウエディングかなにかだろう(ここまでは庭園鑑賞あるあるなので想定内)と思い、「ああ問題ないですよ」と返事をした。門をくぐると、楽山園は、庭園界では規格外の大きさを誇り、お城のような規模感の、広大な敷地を要する庭園であった。その広大な庭園の、池の中島に、なにやら大量の大人が密集している。さらに近づいてみると、彼らが、機材を抱えたいわゆるロケ部隊であることがわかった。何かの映像作品の撮影だ。そこで考える。このロケーションからして考えられるのは時代劇か。当時始まったばかりの『どうする家康』なのでは?!と、そこまで想像を膨らましていたその時。撮影部隊の中から1人、長身のアフロ姿の男が飛び出した。「!!!」さらにその人物は赤い柄のマフラーを着用している。「くのうととのう(菅田将暉)だ!!!」(既に当時、ドラマは大流行しており、ドラマを見ていない私たちもビジュアルは完全に把握していた。)これが、昨年1月の出来事であった。


 そして9月。待望の映画公開である。先ほども言った通り、私たちはぶっちゃけドラマは1話も見ていなかったのだが、この映画は庭園映画として、必ず見に行かねばならないと心に決めていた。映画鑑賞当日は、ストーリーを追うよりも正直、楽山園がどんな形で登場するのか?そればかりが気になり、本編に集中できなかったのは事実である。また、クレジットを見ると、楽山園の他に横浜の三溪園もロケ地として使われていたことが明らかになった。同じく狩集家の邸宅でのシーンであろう。


 ミステリと言う勿れ、とは言っているものの、純然たるミステリー映画であるため、あまり中身の話はできないのだが、ただひとつ、ネタバレをするならば、楽山園の中の島で、菅田将暉が、町田啓太、柴咲コウなどの豪華俳優陣を集めてめちゃくちゃを推理していた、というのは言っておいても良いだろう。というわけで、いろんな意味でめちゃくちゃおもしろかったです。。。さようなら。

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