寝・死刑・坊

おはようとこんばんはの境目はない、空腹だけが鋭利にある

「――あげようか」答えるまでに息を、吸う、それまでの時間が吹き溜まる

名水を詰めて動かして私の咥内、驚くほど冷たい

口も食道も腸も俺のものじゃなく、地球の、というあきらめ

取れるだろう球逃してしまったふりをするわたしの膜は怠慢である

どこまでが悲しみだろう、暴力におけるどこからが倒錯だろう

目が覚めてからワンピースを翻すまでの気怠さ愛せないのね

レモンティごときで覚める脳ならばすべてを愛して笑っていたろう

振り返る車が近づくでも走る走らなきゃね生の助走を


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