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⑥消費者の理解:商品企画のための「売れるコンセプトの作り方」

皆さん、こんにちは。このシリーズでは、商品企画初心者に向けて「売れる商品コンセプトの作り方」を説明していこうと思います。

僕は、2005年から、食品メーカーの商品開発部門やマーケティング部門で数多くの商品企画に携わってきました。また、マーケターとして多くのメンバーの育成に取り組んできました。その経験から感じたことは、新商品企画は事業の根幹を支える仕事であるにもかかわらず、多くの場合、メンバー個人の発想とスキルに依存しているということです。

経験上、商品企画のスキルUPには時間がかかります。このシリーズでは、僕が社内セミナーでメンバーに伝えている理論と考え方をできるだけシンプルにまとめてみます。商品企画初心者や、メンバーを育成されている上司の方々に、少しでも参考になれば幸いです。よろしくお願いします。

メーカーと消費者のギャップを知る

メーカーと消費者とでは、商品認識が全く異なります。まずは、この事実を強く意識することが大切です。メーカーで商品に携わっていると、いやでも商品知識が増えていきます。そのカテゴリーや市場にも詳しくなり、業界の歴史や競合他社の情報、商品のスペックや技術、品質など、専門知識がついていきます。そんなメーカーの人間の商品認識と、一般人である消費者の商品認識には大きなギャップがあります。でも、メーカーにいると、このギャップが分からなくなり、消費者もある程度の商品知識があるものだと思い込んでしまいます。これは、本当に危険なことです。

メーカーの人も、自社と関係のない業界の商品には、全く詳しくないし、詳しく知ろうともしないと思います。言われれば、当たり前のことなんですが、これを忘れてしまうんですよね。消費者には商品知識は全くなく、詳しく知りたいとも思っていません。つねにこの意識を忘れないでください。

消費者とはどんな人か?5つの特徴

消費者とはどんな人なのかを5つの特徴にまとめてみました。

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1.お客様には商品知識はありません。専門用語も、業界の常識も知らないし、知ろうとも思っていません。商品への関与度は極めて低いです。

2.何を買うかは、カテゴリーから決めます。そのカテゴリーの中で、どの商品にするかを考えます。良い商品がなければ、違うカテゴリーに変更します。

3.1つ1つの商品を理解しようとはしません。自分が知っている商品と「何が違うか」で判断します。よく分からなければそれで終わり。いつもの商品を買います。

4.誰に、どう良いか、が分かれば、買うかどうか考えます。自分や家族、知り合いの誰かに良さそうなら購入します。誰にどう良いかが分からなければ選択肢に入りません。

5.商品を見て、どんな使い方ができるか考えたり、アレンジを考えたり、そんなことを考えるほど消費者は暇ではありません。

消費者視点のリアルさ

マーケティングに必要なのは消費者視点です。商品企画も消費者視点がなくてはうまくいきません。ただ、本当にリアルな消費者視点になっているか、メーカーが期待する消費者像になってはいないか、ということにも注意してほしいと思います。

消費者に伝えるべき3つのこと

そんな消費者に商品を買ってもらうためには、次の3つを伝えることが必要です。これが伝わると、買うかどうかの選択肢に入ることができます。

 1.何ものなのか
 2.誰向けなのか
 3.どう良いのか

まず、何ものなのか。これは消費者が理解している「カテゴリー」の中で、他の商品と「何が違うか」という伝え方をします。「既存カテゴリー」と「その商品の新規性」と言ってもいいと思います。消費者は、どのカテゴリーの商品なのか、他の商品と何が違うのか、が分かれば、何ものなのかを理解してくれます。

そして、誰向けなのか。その商品がどんな人をターゲットにしているのかということです。消費者に商品のターゲットが伝われば、それが自分や家族に当てはまるかどうかを考えてくれます。

さらに、ターゲットにとってどう良いのか。この商品のベネフィットですね。これが伝わることで、その商品を買うかどうかの判断をしてくれます。

まとめ

商品企画をしていると、商品の良さや特徴をいろいろ考え、それら全てをお客様に伝えたくなります。「この商品の良さが伝われば売れるはず。」たまにこう言うひともいます。でも、伝えるのもメーカーの仕事です。そのために、消費者を理解し、どうすれば伝わるかを考え、伝わる商品を企画すること、それがとても重要だと思います。

図解消費者

最後まで読んでいただきありがとうございました。



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