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なんとなくの約束ってこわい

仕事は好きだ。
金銭的な対価があるから、という現実的、必要的な側面でも勿論だけど、
今している仕事は、自分がやりたくて勉強してきた分野だったり、
好きがあるから続けられていることだったりするから。

仕事は好きだ。
培ってきた知識や技術が、役に立ってるなー、と思うことがあると、
なんとなく生きてていいのかもなー、という人生の免罪符に感じるから。
あと、社会の歯車になれてる気がして安心するから。

仕事で使う知識や技術を、誰かの為に使うことも好きだ。
上述の理由とほぼ同等なので割愛。

仕事関係のことを、趣味でするのも好きだ。
これは例えばだけど、
経理の人が友人の経理的相談に乗る、とか、
医者が患者ではない友人知人に、体調面のアドバイスをするとか、
そういった意味での、「仕事関係のこと」を、「趣味でする」のが好きだ。

でも、同時に、仕事じゃないから嫌いになることもある。

仕事だと、好き嫌いだけじゃなくて責任があるし、契約があるし、
相手方との社会的な信用度がある。
破れば即、それ相応の対応がなされる。
それは怖いけれども、心安らかに仕事として遂行するための優しい枷でもあると思う。

だけど、それが友人・知人相手の趣味や、純然たる厚意だと話は少し違ってくる――ことがある。

曰く、
「じゃあ、次、出来たら連絡するね~」とか言ったくせに、
全然連絡こね――――――――な!!!!!
みたいな。

リレー小説やろー、アンソロやろー、台本書いてくれるなら読むー、
結果わかったら連絡するー、仕事終わったら送るねー、etcetc……

……いやね? 本当の仕事じゃないしね?
趣味だしね? お金かかってないしね? 口約束だしね?
わかってる……わかってるんだ……?
人生における重要項目じゃないってこたぁ、僕にだってさぁ……?

だけどさあぁぁぁ!
こっちは書き終わってるんじゃい! 送ってるじゃろうが!
やりたくなくなったんなら、そう言ってくれ! 待っちゃうから!
いつでもいいよ、と言いながら、君の「いつでも」はいつ来るの!?
なあ、来ないなら来ないと言ってくれ、頼むから! 待っちゃうから!

それで連絡が完全に断たれるというならまだわかるんだけども、
普通に他の連絡は来るのがわからん……
日常ツイートのように連絡きたり、電話きたりするんだけど、
そのことについて連絡する、といったり、その人のターン待ちだったりしてる場合、なんとなくこちらから話に触れられない。
触れて良いのかわからない。

仕事ならなぁ……
先日の件、進捗どうでしょうか、と簡単に聞けるのに。
それによって、こちらもスケジュール調整できるのに。

なまじっか知り合いだけに、「やる気なくなったんならやめる?」とか言っても、「そんなことないよ!ただ、今、ちょっと手が離せなくて……ごめんね」とかなるのは目に見えてるし、でもなまじっか知り合いだけに、他の人と他のこと(日常の普通の遊びも含め)しているのも見えてしまうし、なまじっか知り合いだけに、互いの熱量確認や、詳細な期日確認とかが微妙にやりにくい……

そういえば、私はこういった仕事系列の趣味の約束だけじゃなく、
「今度◎◎しようよ」とか「△△行ってみたいね」という約束(?会話?)も、実はちょっと苦手です。

忘れられなくて、なんとなくずっと覚えててしまうから。

例えば
「中華街行きたい」
「おー、いいね。じゃあ今度行こうよー」
「いいねー! いこいこー!」とか、

「この映画来月からなんだ~」
「私も気になってたー。日程合いそうだったら一緒いこー」
「いいねー」
とかの場合がそう。

この不確定要素バリバリの会話文が、もしかして約束か…?となってしまって、別の友人に「中華街行かない?」と言われると、「先にこっちと行っても大丈夫かな……約束したのに行ってないじゃん、とかにならんかな……」と悶々としてしまうし、別の友人と「あ、この映画観てかない?」とかなると「さ、先に観ちゃても大丈夫かな…本当に行く気あるのかな…でもな…」となるので、とてもメンタルおぼろ豆腐。

たいてい、上述の口約束の場合、言ったほうが覚えてなどいないことが多いんだけど、たまに「えー、行ったんだ~」とか言われるから、ドキッとする。恋人に浮気バレた人ってこんな気持ちか? となったりする。
どうなんだろう。

いつか世界遺産めぐろうぜ~~~、とか、
今度ツチノコ探しに山登らない? くらい、
大雑把で荒唐無稽な話だったら、そこまで気にならないんだけどなあぁぁ!

約束も、仕事も、最終目標があるのは同じはずなんだけど、
責任とか、目標達成のための熱量に差異があるんだろうな。
約束熱量センサー、とか色でわかるようになっていたらいいのにね。

「お、青だからこれはほぼないな!」とかわかると楽チンじゃい。



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