見出し画像

コミュニティ分類の功罪


【はじめに】


レッスン型、共創型、ファン型、学習型、大人の友達型、価値観共有型、ワークショップ型…etc

コミュニティは様々な方法で色々な形に分類されているのをみかけます。
それぞれ独自の定義があり、面白いなぁ、ためになるなぁ、と眺めています。
わたしもわたしなりの分類をもっています。最初に列挙したのはわたしの知識から出たコミュニティ分類です。
ただこのコミュニティ分類は使い方に注意があります。使い方を誤ると、時間の浪費・自分のコミュニティへの悪影響などが出ます。今回はそのことについて解説し、世の中のコミュニティ分類と上手に付き合っていく方法を伝えます。



【コミュニティ分類を使うのは難しい】


まず、個人的にコミュニティ分類の活用をあまり推奨しません。理由は、本質的ではないことです。説明しやすい・理解しやすいですが、あなたが関わっているコミュニティを正しく捉えることはできません。


これは、統計学を採用した心理学で起こることからわかります。心理学は、ものすごくざっくりいうと、「ある仮説が一定割合以上の確率で発生するとき、その仮説は正しい。」というものです。人をとりあつかう心理学では、95%以上であるかどうかが判断基準になります。


具体的には、このような感じ…

「運動をするとストレスが少なくなる」という仮説が統計的に証明されていたとします。たしかに、運動をするとストレスは減ります。毎週水泳をしていますが、する・しないで1週間のパフォーマンスは変わります。

ただ、例えば梅雨の時期にランニングをすると余計ストレスが溜まりそうですね。また、極端に身体が弱い人は精神的には良くても、身体への負荷が大きくて別のストレスを溜めてしまいそう。
こういうぐあいに、「運動をするとストレスが少なくなる」仮説は特定の個人にとってはあてはまらないことが往々にしてあります。なんでこんなことが起こるか説明します。


それは、この仮説には「一般人が」という主語が隠れているからです。この場合の一般人は空想上の一般人です。あらゆるステータスが平均的な人間です。この理想的な人は「運動をするとストレスが少なくなる」そうです。でも、あなたはそんな一般人ではないと思います。あなたが観察している対象者もそんな一般人ではないでしょう。
もう一つ、仮説通りにならない理由があります。それは、この仮説には「一般的な状況で」という副詞が隠れていることです。一般的な状況とは、あらゆるステータスが平均的な状況です。なんだ、それは?という感じでしょう。わたしもそうです。
そんなよくわからない、存在しえない状況においてこの仮説は成り立ちます。この仮説が現実で成り立つでしょうか?なかなか成り立たないと思います。
ものすごく簡略化し伝わりやすいよう意訳をしておりますが、こんな感じで心理学の仮説を現実で活かすのは難しいのです。

転じて、コミュニティ分類においても同じようなことが起こります。
(細かな論理的道筋は省いているので、論理が飛躍しているように見えますが大丈夫です。)

  • 一般人が、一般的な状況でつくるレッスン型コミュニティ

  • 一般人が、一般的な状況でつくる共創型コミュニティ

  • 一般人が、一般的な状況でつくるファン型コミュニティ

  • 一般人が、一般的な状況でつくる学習型コミュニティ

  • 一般人が、一般的な状況でつくる大人の友達型コミュニティ

  • 一般人が、一般的な状況でつくる価値観共有型コミュニティ

  • 一般人が、一般的な状況でつくるワークショップ型コミュニティ


全て一般化された話で、あなたの個別コミュニティにはあてはまらないことも多いでしょう。


これらは、コミュニティ以外でもビジネスモデルといった分類でも起きます。ですが、特にコミュニティでは顕著です。なぜかというと、コミュニティは人を取り扱うからです。不合理な人を!

例として経済学は、人間は合理的な生き物という前提に立ちその学問を進めてきましたが、それでは説明のつかないことがどんどん出てきました。その発生原因が人の不合理性です。合理的に考えればすべき損切りが、もったいないという感情のために出来ない…そんなことです。


コミュニティでも、例えばレッスン型のコミュニティでは得たいものが得られればいいので交流はそこまで盛んに起こらないということがあります。しかし、おしゃべり好きの方が色んな人に声を掛けていくことで色々なつながりができ、和気あいあいとした交流が発生する、なんてことは十分ありえます。


ここまで色々話しましたが、「分類するとは一般化する・抽象化するということなので、多くの情報が切り捨てられており、個別事例に当てはめることは難しい、特に人がからむコミュニティでは」ということです。




【良いコミュニティ分類の使い方】


ここまで、功罪の罪について話してきましたが、いいところももちろんあります。

それは、

  • ざっくりどんなコミュニティが存在するのか知れる

  • ざっくり自分のコミュニティはどんなものかあたりをつけられる

  • ざっくりコミュニティの成長ステップを知ることができる

  • ざっくりどんなコミュニティでどんなことをすべきかわかる


こんな感じだと思います。
ポイントは"ざっくり"です。目安として使うには非常に経済的
ただ、前段で説明したことがあることを踏まえて活用しましょう。けして、無理にあてはめるなんてことはないように…
(今後、わたしもコミュニティ分類は紹介しようと思います。)




【コミュニティの実体をちゃんと捉えるには】


では、どのように個別・具体にコミュニティについて知り、どうやって課題を同定、対処していくか?となります。これはコミュニティを様々な項目でとらえステータス表にまとめることです。


こんな感じ


このキャラクターなら攻撃の最終決定打として使うのではなく、かたい防御力で前線維持のために使うほうがいいですね。ポケモンでも同じ水タイプでも全くステータスは違うと思います。
そんなぐあいに、コミュニティも様々な項目から観察し、独自のステータス表を作りましょう。これでコミュニティを個別・具体的に俯瞰します。
そのデータをもとに打ち手を考えていくのです。




【まとめ】

コミュニティ分類は、ざっくりとしたことを知るには便利だが、あなたのコミュニティについて正確に捉えるのには向いていない。
あなたのコミュニティをちゃんと見たいのなら、ステータス表をつくってつぶさにあなたのコミュニティを観察しよう。



スキ・フォローお願いします!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?