歌詞というもの#3ー松本 隆3
「白い港」大瀧詠一/作詞:松本 隆
心の片隅
何かがこわれたよ
青空が眩しい
港の カフェーの椅子で
ぼくはふと
眼をふせながら
腕統計巻いた
セイルをおろした
無数の帆柱が
こわいほど綺麗だよ
離れて 生きてみようと
違う船
選んだ君に
こだわりもないさ
スーツケースくらい
自分で持つと
君はいつも強い
女だったね
港の カフェーの椅子で
ぼくはふと
眉を翳らせ
優しさを破く
青空が眩しい
かもめが 波をかすめる
触れもせす
ぼくをかすめた
君に似ているよ
帽子の陰から
流れる黒い髪
いつまでも見ていた
港の カフェーの椅子で
ぼくはふと
孤独なんだと
気がついて
苦いコーヒー飲むよ
南 佳孝や寺尾 聽に書き下ろされる歌詞が、マッチョというか
「ハードボイルドな男」、、、、陳腐な表現だなぁ
のイメージが浮かんでくるものですが、
大瀧詠一に提供される作詞は
「ナイーブなおとこ」、、、漢字よりひらがなのカンジ
のイメージが浮かんできます。
両方とも、自分があるタイプではありますが。
この作品は、松本 隆の作詞でよく言われる
「映像喚起力」に満ちたもので、
描写に心理が描かれて作品です。
、、、、まぁ、ベースはやはり「オトコのやせ我慢」なのですが
同じ大瀧詠一に提供された「恋するカレン」では
このやせ我慢から解き放たれています。
そのせいで、より多くの層に
ストレートに「染みる」作品になっているのでしょう。
※2006年04月初出
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