【ノアール小説】 「es」 episode_013
その頃、和明と仁は、池袋のカラオケボックスにいた。
「お前、無茶しすぎだよ、仁。どうするんだよ、こんなことして」
二人の目の前には、アタッシュケースに入った1キロの覚醒剤が置かれていた。
「いつまでも田淵の言いなりになんかなれるか。あぶない橋は、俺らばかりが渡って、自分は、家具屋のオーナーだ。だから、コインロッカーからこいつを取り出した時、ふけようと思ったのさ。このあたりで、ひと山当てて、男になるんだよ。南さんが、ケツもってくれるから、大丈夫だって」
「南さんって、信和会