126.社員が会社に求めること
先日社員と面談していた中で感じたことを書きます。
成長できるか
話の中で一番に感じたのはこれでした。これは、多くの方が社会人として活動していく中で感じる点だと思います。会社を決める判断材料にされる方も多いと思います。
それでは、どのような状況であれば成長できるのでしょうか。社員・求職者の視点に立って考えてみると以下が考えられます。
教育システム
キャリア開発やキャリアパス
eラーニングやVR等の学習ツール
教育専任の社員
評価システム
これらがどれだけ充実しているかが指標となりそうです。
そこで、今度は自身の経験と照らし合わせて考えてみます。残念ながら弊社の場合小さな会社がゆえに、そこまでのリソースを割いた教育は不可能です。
私の場合は入社時にソフトウェア制作については実務レベルだったので、実務を通して学ぶ形式でした。
そこから30年、今の私が成長できているのかを考えたとき、自信をもって「成長できた」と言えます。しかし、弊社には先に挙げたものが無い状況でなぜ「成長できた」のでしょうか。
成長を考えたとき、次の2つの考え方があると思います。
教わることで成長する
学ぶことで成長する
この2つは混同しがちですが、明確な違いがあります。学ぶは自発的な行動で、教わるは与えらえる状況です。どちらが強い成長につながるかを考えると、現代では情報をインターネットやAI等で収集する環境が整っていることから、学ぶ意識が重要だと感じています。
私の場合は「学べる環境だった」これが当てはまります。知的好奇心が強かったので、教わるより自身で学びたい欲求が強かったですね。コンピューターが好きだったので自然とそのようになったのだと思います。
教育 or 自分時間(学ぶ)
会社に入ると勤務時間に自分時間など無いと思われる方も多いと思いますが、職種によっては工夫次第で確保可能です。
特にJOB型企業の場合は、自身がすべきJOBさえこなせていれば自分時間が持てる傾向が強いと思いますので、それをどのように使うのかが今後の成長に大きく関わることになります。
私も入社間もない頃は激務でしたが、それを超えたあたりから仕事をこなしながら自分時間を作れましたので、その時間でエンジニアとしての学びや、人の心理の理解、指導者活動へとつながっていきました。
若い世代の場合、以前の記事で書いた「選択することが多い環境」
に慣れているので
教育 > 自分時間(学ぶ)
このような印象をお持ちの方が多いのかもしれません。つまり、より魅力的に感じるのは教育環境といえます。
PMVV(パーパス、ミッション、ビジョン、バリュー)
会社の存在理由や目的等が社員に浸透している企業は強いと感じます。やはり、全員が同じベクトルで行動することが、集団活動においては最も重要です。
つまり、これを社員へどのように伝えているのか、その役割を果たすのがリーダーや管理職となります。そして、それを伝えるのが役員や代表となりますので、その仕組みの存在と機能しているのか、この点が重要です。
これらを社員にどのように浸透させるのか、これが帰属意識の強さに関係すると言えます。
何故なら、PMVVは「社員のやりがい」と強く結びつきます。何のために仕事をしているのか、その意義がなければ誰しもモチベーションあがりませんよね。
人は活動した結果、何かに貢献出来ることで初めて自身の存在意義を認識できるので、それが出来る環境であることが望ましいです。
スタートアップ企業だと全員が同じベクトルで行動しているはずですが、歴史のある企業の場合途中でベクトルを合わせることの難しさを感じており、この点に今後は注力していきたいです。
報酬
シニア世代からみると、若い世代はその比重が大きいのでは?と感じておられる方が多いと思います。なぜなら、シニア世代が若かりし頃に十分な報酬を得てこなかった方が多いためです。これは年功序列が原因で自然とそのようはバイアスが形成されるのだと思います。
私自身もそう感じていました。しかし、若い世代ではシニア世代とは価値観が異なり、生活に困らないほどの報酬があれば良いと考える方が増えています。
その原因の一つが、子育ての負担の大きさを悲観される方が多いためです。確かに、結婚はともかく子育ての負担の大きさはシニア世代であれば経験されている方も多いと思います。
そのことを今ではSNS等で知る機会が多いため、若い方が二の足を踏む状況になったのだと思われます。
そのようなことから、若い世代の価値観としては
自分時間 > 報酬
このような方が一定数おられます。実際に報酬を必要とするのは子育て中のミドル世代です。子供の教育費で蓄えが必要なためです。
実際に親を経験した身としては、子供の成長と共に自身もより多くの経験や成長が出来ますし、何より幸せな時間を子供と共有することは、人生というスパンで見た時に必ず良かったと思える時が来るはずです。
私は子供達と毎朝ジョギングしていた時のことが、人生の中で宝物のような大切な時間だと感じています。今もジョギングをしながらその時のことを懐かしむことがあり、幸せな気持ちになります。
まとめ
頭の中ではある程度世代間の傾向や、どのような対策が必要かを描くことが出来るのですが、実際にそれを行う場合に、大きな壁にぶつかります。
私の場合だと代表を引き継いだ時は会社が危機的な状況であったため、3年かけてまずはスタートラインに立つ必要がありました。そして、ようやくスタートラインに立った所です。
しかし、この危機感を社員が感じていませんでした。その結果、私の行動理由が十分に伝わっていなかったと感じます。
今だから分かるのですが、まずすべきことは業務改善の前に、どのように改善を進めるのかを社員に周知することだったと感じます。それが出来ていれば、より協力を得られたはずです。
結局自身で何とかしなければならない思いが強く、全てをこなしていたので年間で10日程しか休めない日々が続いていたのだと感じます。
今はスタートラインに立ったこと、学ぶ時間を確保したことで気付きを得るに至りました。LinkedInでの活動も影響が大きいです。
今も相変わらず休みなく毎日12時間程は仕事をしていますが、私の中ではライフワークとして楽しんで活動しています。
今後は特に若い世代に引き継いでいけるよう、マインドや技術の共有と各々が自立できるような環境や企業風土で経営出来ればと思います。
もし、同じような境遇の方がおられたら、まずは意識共有を先に行うことをお勧めします。意識共有はメール・チャット・オンラインだけでは伝わりにくいので、オフラインでの共有が重要な事も付け加えておきます。
お気持ち感謝に尽きません🙇♂️