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書籍【アフターコロナの生存戦略~不安定な情勢でも自由に遊び存分に稼ぐための新コンセプト】読了

https://booklog.jp/users/ogawakoichi/archives/1/B08M1WP7XK

◎タイトル:アフターコロナの生存戦略 不安定な情勢でも自由に遊び存分に稼ぐための新コンセプト
◎著者:成毛 眞
◎出版社:KADOKAWA


これからの時代、人間の生き方が問われている。お金を稼ぐために働くのは今の現実だが、それすらも変わる。
実際、冷静になって考えてみると「本当に自分の仕事は世の中の役に立っているのか?」と思う時がある。
もちろん給料が支払われているのだから、それなりに会社が価値を認めてくれているのかもしれないが、果たして本当だろうか。
ただ会社に来ているだけで、実際にはよく分からない業務をしている人も多いと思う。
(私もその一人ということだ)
依頼されるから仕事する訳であるが、「これホントにいる?」というブルシットジョブは実際多い。
今後は、そういう部分も効率化や機械化によって置き換わっていくから、確実に減ることだろう。
そうなれば、人間は「暇になる」ということだ。
暇つぶしのために益々ブルシットジョブを生み出していっては意味がない。
そういう未来を考えると、「楽しく働く」というのは、社会にとっても本当に大事なことだろうと思う。
個人の生存戦略としては、単純だが「楽しみを見つける」ということだ。
それでお金を稼げれば一番良いのだが、常識的な大人たちは「好きなことで稼げる訳がない。我慢して働くことが仕事だ」と、もっともらしいことを考えるかもしれない。
それでブルシットジョブを我慢し続けていたら、それこそいつかは病んでしまう。
つまり常識的で真面目な大人たちこそ、最も危ないのだ。
今は楽しんだり、好きなことで稼ぐ方法は無数にある。
常識的な大人たちは自由な発想がないから、「好きなことで稼ぐ方法」を知らないだけだ。
自分の小さな好きなことや、得意なことを分解して、時間単位で売ることだって出来る。
モノによっては、確かに「こんなもの売れる?」という感覚かもしれない。
しかし現にメルカリだって、不思議なものが売られているが、ニーズさえあれば売買が成立している。
人のスキルだって、技術的にマッチングさせることは同じことだから、これらは益々一般化していくだろう。
現に様々なスキルサービスが立ち上がって、活用されている。
こういうことを考えると、確かに会社に所属することに意味があるのかとも感じてしまう。
時代の流れは分散化の方向なのだから、わざわざ環境の悪い職場で我慢して働く必要なんてない訳である。
やはり「どんな仕事をするか」の方が、益々重要になっていくはずなのだ。
この文脈だと、すぐに「ジョブ型雇用だ」となるのだが、「雇用」と言っている時点で理解できていない。
誰かに雇用されるのではなく、自分の好きなスキルを磨いて、価値を高めていけばいいということなのだ。
タイトルが「生存戦略」であるが、これから益々社会が変化していく。
会社に所属していたら安定だったかもしれないが、これからはそんなことはない。
所属が無い方が不安定に感じるかもしれないが、最早そういう不安定さを波乗りする感覚で生きていくしかない。
そういう意味での柔軟さはこれからは益々重要になるだろう。
「好きなことを仕事にする」と言っても、一つだけを突き詰める必要も全くない。
むしろ一つに絞った方が、それが無価値になった時のリスクがある訳だから、おススメできない。
キャリアや好きなことを複数持って、それらを掛け算して価値を生み出していくのがよさそうだ。
本書でも、成功の多くは「プランB」から生まれると説く。
どんなに綿密に計画を練っても、どうせその通りには行かない。
結局はやりながら変更してたまたま上手くいったケースの方が圧倒的に多い訳だから、これは個人の時代とは言え、そう考えていくしかない。
著者は1986年に日本マイクロソフトに入社したらしいが、アメリカ本社に出張に行った際に、口の周りにハンバーガーを頬ぼった後のケチャップを付けたまま床で寝ている人がいたという。
彼が社長のビルゲイツだと知ってビックリしたそうだが、倒れ込むほど没頭して仕事をしていたという訳だ。
そんな状態は最早会社に所属しているとは言えない。
社長だからそうだろうということではなく、結局仕事以上に情熱を持って人生を懸けて没頭することが出来るかどうか。
情熱を持って没頭する人に敵う訳がない。
つまりそれは、ジャンルに関係ないということだ。
料理かもしれないし、掃除かもしれないし、スポーツかもしれないし、ゲームかもしれない。
普通の人は見向きもしない、蟻の飼育かもしれないし、複雑な折り紙の折り方かもしれない。
内容は何であっても、わき目も振らずに没頭することが出来れば、逆にそれで稼ぐ方法を見つけてみた方がいい。
今では探せばいくらでもマネタイズ出来そうな気がする。
やはり、いかに情熱を持って没頭できるものを持っているかは、この先の人生を考えると重要なことなのだと思う。
そして、本書内では「運が大切だ」とも説いている。
むしろ「実力だ」と言っている経営者ほどアテにしてはいけないという感じだ。
所詮は運の要素が大きいということは、「もしかしたら当たるかもしれない」くらいの気楽さで行動することが大事だということだ。
逆に大きな失敗さえしなければ、好きなことをやり続けられるという面では幸せなのではなかろうか。
いずれにしても、まずは気楽に行動をしてみないと話にならない。
運が良ければ、きっと成功するだろう。
次の未来を探すなら、SFを読めとも説いている。
これも同感。
最近私はビジネス書ばかりで小説を読んでいないが、たまには読んでみようと思った。
過去のSF小説の内容が現実化していると考えると、未来を予測するなら、SFを見ることは理にかなっている。
未来を見据えて、どう生きるか。
それを想像するだけでも、大切なことだと思うのだ。
(2024/1/3火)


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