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空あります
空(から)がある。
"ないもの" が "ある" とはどういうことだろうか。
![](https://assets.st-note.com/img/1698557442269-LIRzFYiitB.jpg?width=800)
とある雑居ビルの入り口に目が止まった。
赤い文字で「空あります」と書かれている。
読み方はおそらく「から」だろう。
「から」、つまり "ないもの" が "ある" ということか?
何か哲学的なことを語りかけているのだろうか。
(後から知ったが、空は仏教的には有るも無いも両方の意味を示すそう)
空は無と有、否定と肯定の両方の意味をもつが、世間では「から、あき、むなしい」等の意味で把握され、「無」の面だけが強調される傾向にある。
一見、内容が矛盾しているこの掲示。
しかしその矛盾を解消する答えはすぐそこにあった。
![](https://assets.st-note.com/img/1698558030770-Zn0j5WHp15.jpg?width=800)
「あ、空室のことか…」
なんというか、あっけない答えではあった。
しかし、主語がないとか、背景がわからないとか、こういうハイコンテクストなコミュニケーションって日常的にあるよなぁと思う。
![](https://assets.st-note.com/img/1698558622783-YQDrOjrZXV.jpg?width=800)
自分の中では「この表現で伝わるだろう」と推測し、言ってみたら伝わらなくて結局後から補足する。
目的語がなくて、結局「何が?」と聞き返されてしまう。
自分と相手の認知の差を考慮しないと、会話で超疲弊することになる。
そんな当たり前のことを「空あります」からあらためて意識させられた。
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