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簡易宿泊所の工事費についてリアルに考えて見る

簡易宿泊所をリノベしてかかる費用について、建築士がこれくらいの金額を用意すればある程度思い通りに作れるだろうという金額をリアルに考察してみます。

大きく分けると、

・物件取得費

・工事費、備品費(ハード)

・設計料(ソフト費用)

3つに分けれると思います。

ソフト費用に関してはハード費用の10~15%くらいを見ておけば良いと思います。

物件取得費にかんしては購入するにしても賃貸するにしても、不動産サイトをみると大体の数字が出ています。また新築に関しても、注意深く読めばそれなりの情報が出てきます。

しかし、リノベーションや改修、リフォームという工事費用に関してはホントにまともな数字が出てきません。工事費に関してはブラックボックスです。設計図を書いて工事見積もりの依頼を出しても、改修工事の場合、規模の小さいもの程、安い見積もりと高い見積もりで倍くらい違う場合もあります。100㎡くらいの改修工事が1番見積もりに差が出やすいです。


物件取得費

これはそのままです。物件が無いことには何も進みません。購入するにしても賃貸にするにしても具体的に物件が決まらないことにはどうしようもありません。

物凄く格安で物件を手に入れた場合は、後々に他の費用がかさむので注意が必要です。

物件取得にあたっての注意点は他のサイトでも色々情報が出ているので割愛しますが、とりあえず何がしかの建物を用途変更して簡易宿泊所にする時のポイントとしては用途地域の確認と、確認申請図書など書類がそろっているかは確認してください。

購入、取得前に建築士に相談することをお勧めします。


工事費の内訳

工事費ですが、工事の内訳として考えると

1 解体工事

2 大工工事

3 サッシ工事

4 電気工事

5 空調工事

6 給排水工事

7 内装工事

8 現場管理費

くらいに分かれます。

他には左官工事や家具工事、建具工事などが場合によっては入ってきます。

各工事の職人さんに一日来てもらうのに経験年数やその場所によっても違いますが一人当たり1.5万円〜2.5万円程かかります。一昔前は建設不況で職人さんの単価ももう少し安かったのですが最近は景気が戻ってきたのと職人不足で単価も上がっており、単価をあげても職人さんが捕まらない事も良くあります。

通常は設計図が完成すると、設計図を基に工務店などの工事会社がその下請けの各職人に見積もりを取ります。それを合算して工務店の現場監督の経費と利益を載せて見積もり提出してくれます。この段階でやっと正確な工事金額が確定します。


工事費の概算の考え方

そうは言っても、それがどれくらいかかるかを概算として掴まないと計画が立てれないので実務で使っている経験則の数字を教えます。

建築士を目指す新人が設計事務所で初めに教えてもらうことの一つとして新築で建物を建てる場合の目安の金額というものがあります。

ハウスメーカーや工務店なんかではこの坪単価を低く見せる為に、空調設備や外構工事がオプション扱いになっていて安い金額を表示していますが、最低限度、使用するのに必要な工事を加算すると大体同じような金額になります。

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