語れない哀しみ
上洛後初のえみこのいない送り火の夜はいかがでしたか?本日もお目通し下さり光栄です、霊性を高め人間力を向上させる 西陣の拝み屋 えみこです。本日8/17は台風7号の影響で関東に足止めされたため臨時休業いたします。明日8/18は祇園エリートテラスに常駐します、ご予約希望の方はお問い合わせください。
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上洛から7年、毎年必ず観てきた送り火を見られなかった今回の神奈川出張。台風で新幹線が止まるとわかっても延期はできない大事な予定がありました。終わってみたらその予定は、冥界の御人を体験する特別な時間で。たぶん一生に一度あるかないかの1時間となったのです。本日はそんなお話を少しだけ。
○語らせるもの、語りを禁じられたもの○
語る、ということは権利です。しかし、何らかの理由で語れない人もいる。それを体験したのが先日のダイアローグインサイレンスでした。しかし今回はルールとして語らされるもの、反対に語りを禁じられたものに分けられる経験をしてきました。えみこに許されたのは「観ている」「聴いている」のふたつだけ。そんなルールのもと目の前でえみこが大切にしているものについての審議が始まったのです。
語ることを許されたのは、己の世界のために他を喰らう者。語られた言葉には、聴いていて怒りで全身が震えるくらい切り刻まれました。しかし、声を上げることは許されない。なぜなら先出のふたつのルールがあるから。この瞬間わたしに許されたのは傍観することだけ。全身を震わせるほどの怒りはすべて視線に変わり相手に向かいました。が、他者を食らうことが平気なものにそんなものが通じるわけはなく。幾多の人の心と尊厳を踏みにじり自らを憐れむ得体の知れない集団がそこに立っていただけでした。あまりに虚しく帰り道は、嵐の中を泣きながら駅に向かいました。
○「えみこしかいないの」◯
その昔「想いのこし」という映画がありました。その中にでてくる幽霊の台詞にこんなのがありました。
「あなたしかいないの、わたしには」
霊が見える青年に向かい、女の幽霊がそういいます。自分の代わりに婚約者に想いを届けてほしい。その声は青年にしか聴こえない、あなたに託すしかない。あなたしかいないの、わたしには。そんな文脈で。今日のわたしはまさにこれ、語れない自分の代わりに語るものに、わたしのすべてを託すしかない。語りたいことの半分も語れぬ悔しみ。もっとあるじゃん、まだ話すべきでしょ、そんな苛立ちを飲み込んだ時間。
ああ、これが冥界の御人の世界か。そう思いました。嘘つきに真実が握り潰されるのを観たくはない。しかし、ルールがある以上やりようがない。
なのに、目の前では権利を振りかざす奴らが夢を奪い取っていく。その悔しみを、哀しさを自ら体験する、お盆のそれはなにより深い。目の前で自分にとっての偽りが真実にされてしまう哀しみ。ふと思ったのです、冥界の御人も、もしかしたらわたしにこう言ってないのかしら?と。
「えみこしかいないの!わたしには」
あんな哀しみ、放ってはおけない。ねぇ、そうでしょ?えみこ。
本日の課題
・あなたは、偽りの真実を語り事実にしてませんか?
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