5分でわかる「クリエイターエコノミー」を取り巻く現状【声の履歴書 Vol.62】
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5分でわかる「クリエイターエコノミー」を取り巻く現状【声の履歴書 Vol.62】

こんにちは。Voicy代表の緒方です。

この「声の履歴書」という連載は、Voicyがこれまで歩んできた道のりについて創業者の私があれこれ語っていこうというシリーズです。よかったらマガジンをフォローしてくれると嬉しいです。

今年の7月になりますが、Voicyを含む7社でクリエイターエコノミー協会の設立を発表しました。

会見では参加企業のなかで僕だけリモート出席でちょっと変な感じでした。あれはいろいろとツッコまれまくったんですが、社内に濃厚接触者疑いの人が出たので念のため出席は遠慮したのです。お騒がせしました。

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クリエイターエコノミーは「確実にくる」

きっかけはnote代表の加藤さんから「クリエイターエコノミー協会をやりませんか?」という連絡をいただいたことでした。僕たちもVoicyをクリエイターエコノミーの会社だと思っていたので、「ぜひ!」と返事しました。

クリエイターエコノミーを盛り上げていく中で、新しいビジネスや働き方が出てくると、法律上などで難しい部分が必ず出てきます。たとえば納税の仕組みひとつ取ってもそうです。そういったまだ固まっていない新しい制度について一緒に議論できるのはすごくいいことです。

世の中にクリエイターエコノミーというムーブメントをもっと広げていくのが僕らのミッションの1つだと思っています。海外では今、クリエイターエコノミーの市場が1000億ドルになるとも言われています。確実にくるだろうと。

そうすると要は個人が活躍する時代になる。でも、クリエイターエコノミーの仕組み自体がパーフェクトに実装されているサービスって、実はまだ少ないんです。もちろん僕らはその大本命が音声になると思っているので、ここはぜひ協力したかったんです。

5分でわかる「クリエイターエコノミー」を取り巻く現状

そもそもクリエイターエコノミーとはなにか?について説明しておきましょう。僕が話すときによく用いる図がこちらです。

クリエイターエコノミー資料

この左上の「個人の自由な表現」という部分が、クリエイターがクリエイターたるところ。写真であったり、ツイートであったり、いろいろな形式で個人が自由に表現します。

そうしたら、右隣のプラットフォームがそれを多くの人に届けたり、マッチングさせたりして、その人の輪が広がっていくわけです。

そうすると多くの人にその表現が知られていく。だんだんとそれを好きな人が出てきて、下のようにファンエンゲージメントがたまっていく。

たまっていったエンゲージメントをお金にかえて、そのお金がたまると、より自由な表現ができる。そういうことをずっと繰り返すことで、クリエイターエコノミーにおける「個の活躍」というものが伸びていきます。

今までは、これがすべて「分業制」だったんです。どういうことかというと、もちろんテレビとかもそうですが、TwitterやInstagramも自由な表現をした状態で多くに届けるという上の2つはやっていたんですけれど、そこからは「エンゲージメントがたまるんだろうね、たぶん」くらいにしか可視化をしていなかった。

だからインフルエンサーのような人たちは別のツールでオンラインサロンを開設したりしてマネタイズしていました。つまり、ファンをためる場所とマネタイズする場所が別だったんです。

なぜならば、ファンを可視化しても、金額の可視化ができなかったりとか、そもそも支払いの機能を持っていなかった。世界中で使われるサービスにするのであれば、まずは表現のしやすさとリーチ・グロースのほうを優先しよう、という考えだったからですね。

そして何より大きいのが、広告モデルが強力だったこと。これまではTwitterやInstagramも「まあ広告でいいよね」という態度だったんです。なので、表現と拡散、プラス広告さえあればよかった。

ところが最近はサードパーティーデータの取り扱いが難しくなってきたりとか、GDPRという規則によって広告がちょっと微妙な立場になってきました。はっきり言うと広告自体が嫌われ始めたんです。

みんな広告をクリックしなくなって、「広告自体も好かれないと駄目だよね」みたいな雰囲気になってきた。それはいいことでもあるんですけど、反動として「表現する人たちが直接稼ぐほうがいいよね」という流れになってきました。

課金に進出してきた巨大プラットフォーム

表現をするユーザー側も、これまでの「演者だけをやっていれば広告が勝手にマネタイズしてくれる」という世界から、「ちゃんとお客さんに買ってもらおう」と思い始めた。D2Cというモデルも盛り上がっていますが、物販だけじゃなくて、コンテンツ販売も盛んになってきています。

なので、TwitterやInstagram、Facebookもどんどん課金機能をつけていく。さっきの図でいうと、ちゃんと左下にも入ってきた感じなんです。

クリエイターエコノミー資料

となると、左下だけをやってきた決済サービスは厳しい。ちゃんと多くの人に表現してもらって、それを届けて、エンゲージメントが上がるところまでしっかりと作れる巨大プラットフォームが満を持してマネタイズまでする状況になってきたんです。

もちろんプラットフォーム側も、右下のエンゲージメントをしっかりと蓄えていることを可視化しないといけなくなっていて、Twitterのフォロワー数が多いだけでは意味がなくなってきています。そこが面白いところの1つです。

音声はクリエイターエコノミーの主役に

以上がざっくりとしたクリエイターエコノミーを取り巻く僕なりの現状理解なんですが、その中での「音声」というものは、左上の「個人の自由な表現」の中で、最も発信労力が低く、最も本人性の表現が高いという強みを持っています。

黒い文字で書いたところが声の魅力で、オレンジの文字がVoicyで打ち出せる魅力です。音声は左上と右下がめちゃくちゃ強いんです。

クリエイターエコノミー資料

でも、もちろん課題もあって、右上のリーチ・グロースだけが弱いですよね。シェアがしづらいのはずっと課題でした。この弱いところを、ながら聞きとかで聞けて、可処分時間が伸びることで、そもそも聞く時間のパイを増やすことで補ってきました。

僕らの場合はいろいろな端末から聞けるとか、最近出した僕の本みたいに「本から音声が出る」とか、どんどん新しい取り組みをやっていく必要があると思っています。

左下のマネタイズの部分は、いままではラジオ番組がスポンサーしかつけていなかったですが、今後はそこにユーザー課金も含めた音声メディアならではの新しいマネタイズが加わります。

なので僕らとしては当然、「音声の時代 × クリエイターエコノミー」という流れは、確実にくるだろうと考えています。

「広さ」と同じくらい「深さ」も大事になってきた

実際、このモデルをすでにやっていて、すごく稼いでいる人たちがいます。それが「ライバー」さん達です。彼らは上の部分をかなり捨てていますが、マネタイズのところだけはめちゃくちゃ強いんです。

彼らは表現の広がりはあまり気にせず、コアなファンとのコミュニケーションをメインに据えています。グロースによって広げるよりも、一部のファンから多くのリターンを得るモデルです。だから下の2つが突出して強い。

一方で今後、多くの人に使ってもらうプラットフォームやサービスは、これを全体的にバランスよく強化していく必要があるだろうと思っています。そういった意味ではクリエイターエコノミーというマーケットの中では、音声は主役に近い位置に行けるはずです。

誰でもニーズがあれば仕事ができる世界

クリエイターエコノミーという文脈においては、最近は広告よりも課金というのが主流だと思いますが、それは単なる流行りではありません。

広告モデル一辺倒だったのが、課金の可能性が広がることによって、「多くの人に届けられていなかったクリエイターも収益を得て活動できるようになったこと」が大事なんです。規模は小さくても熱いファンがいればいい。これはすごいインパクトです。

その結果、クラウドソーシングやクラウドファンディングとも近づいてきています。どんな人でもクリエイターになれる、それはつまり、誰でもニーズがあれば仕事ができるということです。

いままではプロと企業しかお金を稼ぐ方法がなくて、お金を稼ぐこと=プロという思考だったんです。けれど、今後はアマチュアでもお金が稼げる。アマチュアでもクリエイターになれるという世界になる。

そういった世界ができあがるのを支援する会社が集まって、クリエイターエコノミー協会ができたわけです。例えば参加企業であるマネーフォワードは、個人で活動してお金を稼いだ人に便利なサービスを提供していますよね。

Voicyもクリエイターエコノミーの代名詞的サービスだと思っています。協会は8月4日に正式に設立されました。今後いろいろなところで協力していきます。

ーー最後まで読んでいただきありがとうございました。次回もよろしくおねがいします。

声の編集後記




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緒方憲太郎(Voicy代表)

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音声とテクノロジーのベンチャーVoicyの代表。起業家・投資家・公認会計士・ビジネスデザイナー 大阪で公認会計士→地球2周放浪→NYで公認会計士→ベンチャー支援→Voicy起業 道に迷ったらオモロい方。世の中にハッピーな付加価値を増やします https://voicy.jp/