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「ボイスメディア」とは何か。音声コンテンツの四象限を考える【声の履歴書 Vol.57】

こんにちは。Voicy代表の緒方です。

この「声の履歴書」という連載は、Voicyがこれまで歩んできた道のりについて創業者の私があれこれ語っていこうというシリーズです。よかったらマガジンをフォローしてくれると嬉しいです。

今日はVoicyが定義する「ボイスメディア」という概念について書いてみたいと思います。声のメディアだから、ボイスメディア。でもそれってどんな特性があるのでしょうか。

音声コンテンツを作り方と聞き方から分類すると

まずボイスメディアとは何かを説明するにあたって、こんな図を作ってみました。音声コンテンツの種類がよくわからないとか、Podcastとどう違うんですか? ということをすごく聞かれます。

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横軸は聞かれ方です。右側はラジオや音声ニュースのようにリアルタイムで聞かれるもの、左側はアーカイブに向いているもの、非同期で聞かれやすいものです。

縦軸は作り方です。上側には台本などを作り込んでチームで手間をかけて制作するもの、下側はそのまま発信するものというふうに分かれています。またソーシャル性が高く個人にコンテンツが紐ついてるとも言えます。

その昔は音声コンテンツというとラジオ放送しかなくて、リアルタイムで番組をつくりながら流していました。それからオーディオブックなども出てきて、さらに一般の人も参加できるPodcastが登場しました。

いまでは音声のライブ配信で完全に録って出しも可能になっています。今年のはじめに日本でも流行した「Clubhouse」も同じ右下カテゴリでしょう。

この中でVoicyはどんな位置づけかというと、「アーカイブ的に聴かれるコンテンツだけど手軽に発信できる」というポジションです。ここは意外と今までなかったカテゴリだと思っています。

手軽な発信により、誰でも参加できるメディアに

僕らはここの「アーカイブ × 手軽な発信」で個人がソーシャルメディアになるものを“ボイスメディア”と呼んでいます。ボイスメディアの新規性としては、加工をほとんどせずにそのままアーカイブ可能なレベルのコンテンツを出せること。

発信の手間が解消されて忙しい人でも楽しめるようになったのが、ボイスメディアの新しいところ、世の中にインパクトを与えるところです。

さらにVoicyならではの設計としては、1チャプター10分間で収録させたりとか、リスナー側がBGMを選べたりとか、SNS連携・ブログ埋め込み、そしてマネタイズができるようになったりなど。

僕らは「ボイスメディアのVoicy」を標榜しているんですけれど、一方でVoicy上にPodcastとかラジオのコンテンツも載るようになってきて、もはやボイスメディアにとどまらず、他の媒体もなんでも包括して載せられる「音声マスプラットフォーム」の側面も持ちつつあります。

ここでVoicyのトップページをご紹介します。

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今までは人という軸を中心にボイスメディアをやっていましたが、コンテンツという軸でも見せることができるようになってきました。

ずっとVoicyを音声業界のトップブランドにしたいと思っていました。ようやくいろんなジャンルが揃い始めて、メディアさんもたくさん入ってくれています。

日経新聞をはじめとしていろんなメディアが参加して、芸能界でも注目されてきています。やっぱりちゃんとしたメディアプラットフォームの上に自分達の声を載せたいというニーズが出てきていると思います。

そんな多様なチャンネルがいま合計800くらいあります。なかなか自力でコンテンツ探せないという状態になってきており、そこでちゃんとそれぞれのチャンネルを説明できるようなページに変えました。逆に「新着コンテンツ」が表示されなくなっています(800あるコンテンツの新着を出したところで…というのはもともとありました)。

トップページの役割の1つは、フォローすべき人をちゃんと見つけられることです。リスナーの方もフォローしている数はそんなに多くない。難しいですけれど、「このチャンネルを聞いている人にはこれもおすすめ」とわかるようにしたいですね。

そのためのデータ分析にはかなり力を入れていて、社内にデータ専門のチームがあります。聞きやすい環境を整えたり、コンテンツをマッチングさせたり、どこにコンテンツのボトルネックがあるのか見つけたり、そういうことをめちゃくちゃ検証しているところです。

日本は独自の盛り上がり、いずれは世界標準へ

海外では音声コンテンツといえば最近はAppleとSpotifyを中心としたPodcastが主流になっていて、今は彼らが気に入るコンテンツをつくれるかどうかが重要になっています。これは少し偏った状態かもしれません。

それ以外のボイスメディア的なフォーマットは世界ではあまり盛り上がっていない。けれど、日本ではスタートアップ企業を中心にめちゃくちゃサービスが出てきています。

ちょっとしたガラパゴスかもしれません。でもこのガラパゴスが、いずれは世界中で使われるものになるんじゃないかと思っています。ボイスメディアというコンセプト自体をもっと世界に打ち出していけるようにしたいと思っています。

ただ現状ではまだまだPodcastにしろ、ボイスメディアにしろ、啓蒙が足りないですよね。今はTwitterですら、使っていない人もたくさんいる。Twitterで一生懸命やっていても届かない。

僕らもどうやったら音声コンテンツをもっと広げていけるのか、Podcastにとどまらないボイスメディアの可能性を伸ばせていけるのか、日々思考を重ねているところです。近々新しい発表もできそうです。

ーーありがとうございました。よかったらまた読みにきてください。

声の編集後記



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