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待つ事の大切さ

※今回はチームの事とは、直接関係のない内容です。

成人式、卒業、進学、入団、退団、移籍、引退など多くのライブイベントが起こるこの時期に思い出した事があるので書こうと思います。

写真は今年成人式を迎えた女性です。

彼女との出会いは、9年前

当時のボクは、いわてグルージャ盛岡でトップチームのコーチをしていました。

当時の監督もボクも、女子チームの指導経験があり、グルージャでも女子スクールをやろうという事でスクールを立ち上げました。そこに小学5年生だった彼女が来てくれたのが出会いでした。

その後、監督が変わり、チームの体制が変わった事もあり、スクールは休止となってしまいましたが、試合を観に来てくれたり、なんとなくその後の様子は感じていました。

中学生になり、顔を見る機会も減り始めていたある日、彼女のお母さんから連絡をもらいました。

『しばらく学校行ってないんです、コーチから何か言ってあげてくれませんか?』

思春期ど真ん中、女子中学生、反抗期発動中

これはどうしたものかと、、、

しばらく会ってないし、状況も分からない。
ただ、質問攻めにするのは絶対意味がないという事だけは、理解していました。

出した答えは

一緒に映画を観る

でした。

当時、大ヒットしていた「君の名は。」

学校行ってないので平日の昼間に2人で街中を歩いて映画館に行きました。

『警察に止められたらちゃんと事情説明しろよ』
『は?ウケるんだけど』

観終わって、

『どうだった?』
『微妙』

トータルの会話はこれくらいだったと思います。

その後も、学校でのトラブルや夜遊びなど、なかなか落ち着かない状態が続きましたが、2年生の終わり頃になると進学についての現実が迫ってきます。

本人の希望は高校には行きたい。
でも勉強が分からない。

一度、テストの問題と回答を持って来い!
と命じて、ボクも解いてみました。
確かに、それなりに難しかったです。。。
『おれも良く解らなかった!』と正直に言いました。

この頃にはだいぶ精神的にも落ち着いていたので、ずっと聞きたかった事を聞いてみました。

【いろんな事に反発していた時期、何を言われるのが1番嫌だった】か、という事

答えは、『学校に行け』だったそうです。

心底、行けって言わなくて良かったと思いました。

その後、無事に高校に合格し、アルバイトをしたり、高校生活を楽しんでいるという報告はとても嬉しかったです。

2019年1月、ボクがグルージャ盛岡を退団することになったという連絡をしたら、『会いたい』と言ってくれました。

最後の日、高校から最寄りの駅で待ち合わせて、家まで送ることになりました。

ところが、約束の時間になっても来ません。

先生に怒られているのか
忘れて友達と遊んでいるのか

ほどなく、現れて

『はい、これ』

と、紙袋を渡されました。

プレゼントを選んでいて、遅くなったんですね。

【遅いよ】

と言わなくて良かったです。

待ったり、観察していると、必ず何かが見えてくるし、理解できるものです。

こういう出来事の一つひとつが、自分のチーム作りのベースになっているんだなと、写真が送られて来て再確認しました。

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