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現役大学生がたった20日でヒッチハイク日本一周したお話 【第1話】

【前回記事】

初めてのヒッチハイク(用賀IC→浦和IC)

いよいよヒッチハイク日本一周初日の日がやってきた。
この日は朝8時に目が覚めた。ずっと前から準備をしてきたヒッチハイク日本一周計画をついに実行できるとワクワクしている自分と、本当に達成することができるのかと不安に感じている自分がいた。そういった複雑の感情に立たされながら、荷物の最終チェックを念入りに行った。そして、家を出る前に軽く動画をまわした。ヒッチハイクはもしかしたら死ぬかもしれない。そんな心配をこの時はしていたため、軽い遺書のようなビデオメッセージを机の上に残すことにした。今こうして無事にチャレンジが終わってからその動画をみると非常に恥ずかしいものであったためにしっかりと削除した。

実際に使用したスケッチブック

事前に東京からヒッチハイクを始めるなら用賀がおすすめであるとリサーチ済みであったため、とりあえず用賀駅まで電車で向かうことにした。
用賀IC手前のマクドナルドは『ヒッチハイクの聖地』とも呼ばれており、コロナ前は段ボールを持ったヒッチハイカーでごった返ししていたらしい。
なぜ用賀がここまで人気なのか。
それは、圧倒的な交通量と車が停車できるスペースが多いからである。日本一周を終えてよりこの2要素の重要さが分かる。

青→ヒッチハイクの聖地といわれるマック
黄色→今回自分がヒッチハイクした場所

今回私は『ヒッチハイクの聖地』と呼ばれるマクドナルドではなく、少しインターから離れたローソン手前でヒッチハイクをすることにした。
なぜローソンにしたのかにはいくつか理由がある。
まず、根本的に重大な勘違いをしていることに気づいたからだ。
ここは名古屋方面に行く車が圧倒的に多く、自分は最初東北のほうから回って一周をしたかったので、そもそも用賀から始めること自体が間違っていたのだ。ただ、来てしまったことには仕方がないので行き先を埼玉にして、浦和ICを目指すことにした。となると、マクドナルドでは完全に名古屋方面に行く人だけの道になってしまうので、埼玉に行く可能性のある車が通るここのローソンで張り込むことにした。
他にも、同じヒッチハイカーがいた場合にどちらを乗せようかと運転者さんを悩ませたり、いろいろ面倒なことがあると思ったので、穴場のローソンで旅を始めることにした。


さぁヒッチハイクをやってみよう!

用賀ローソンでのヒッチハイク

ここから過酷な旅が始まるのだと覚悟を決めて、いざスケッチブックを持って立ってみた。自分が想像していた以上に恥ずかしかったのを覚えている。恐怖で足がすくむ感覚もあった。たくさんの人に見られ車が通り過ぎていく。人に話しかけているのに全員にずっとしかとされているような、そんな感覚に近い。10分とりあえず耐えて頑張ってみたが、一向に車は停まってくれない。徐々にメンタルもやられていく。このままでは、精神的にも体力的にも限界が来てしまうと思い、打開策を考えた。
考えに考え生み出したのが『ディズニーキャスト戦法』である。
これはその名の通りディズニーのキャストさんのように飛び切りのスマイルを運転手さんに向けて送るというものである。
見ず知らずの人を乗せるときに第一印象は一番重要な判断材料となる。
だから常に笑顔でヒッチハイクをすること、これにより人柄が良いと思われ車が停まってくれる。実際日本一周を終えた今、「ヒッチハイクで車をつかまえるコツは何か」と聞かれたら、絶対に笑顔と答える。乗せていただいた方に「なぜ私を乗せようと思ったのか」と聞くと、「パッと見ていい人そうだと思ったから」と言われることが非常に多かった。そのくらい笑顔は重要な要素なのだ。

記念すべき一台目

この『ディズニーキャスト戦法』で、笑顔を意識するようにしたら、なんと5分もしないうちに一台の車が縁石側に寄って来てくれた。この瞬間は今でも覚えている。本当に停まってくれる車が存在することに感動した。
窓ガラスが降りて、一人の男性に話しかけられた。
どこまで行きたいのか聞かれ、浦和インター手前まで行きたいと言った。
すると、ちょうど車検で浦和のほうに向かうとのことだったので、運よく乗せていただくことになった。これが記念すべき一台目である。ヒッチハイク経験がなく、こんなんで本当につかまるのかとずっと不安に思いながら立っていたために、はじめて車に乗らせていただいた時はとても嬉しかった。

この方、一人目にしてかなりキャラの濃い方で、写真には写っていないが魚肉ソーセージのように長い葉巻を常に吸っていた。だから車内が非常に香ばしい匂いで包まれていた。他にも後部座席には、2次元のゲームキャラクターのグッズが大量に並べられており、車内BGMもそのゲーム内で使われている音楽が流れていて、まるで秋葉原にいるかのような気分になった。
さらにさらに大の車オタクで、今一番欲しい車は日産のマイクラであった。ぜひ購入した際には、また乗せていただきたいと思う。
お話をしてみると、とてもお優しい方で、本職がタクシードライバーということもあり、こういう道がヒッチハイクに適しているよなどといった今後の旅に向けて役立つ情報をたくさん教えていただいた。

時間が経つのははやいもので、お話をしていたら一瞬で浦和付近に到着した。時間はまだ夕方くらいであったが、はじめてのヒッチハイクということもあり、疲れを感じていたのでこの日は浦和インター付近のネットカフェに泊まることにした。そして明日本腰を入れて活動できるように、23時くらいに就寝した。

【次回】 第2話 ヒッチハイクの波に乗る (浦和→仙台編)




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