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春のようなふゆの日に(日記48)


今日の東京は、気温22度。
12月半ばであることを忘れてしまうくらい、ぽかぽかとあたたかい。


今年の冬は、こんな日が多い気がする。
凍てつくような空気、というものを、わたしはまだ感じていないな、と思う。
冬用のコートをあたらしく買ったのだけれど、それで出歩くと、うっすら汗ばむくらいの気温が続いている。


でも、きもちは「冬」だから、なんとなく、その新しいコートに手を伸ばしてしまう。
今日もそうして、新しいコートをおともに、同居人氏1と、家を出た。



所用がある同居人氏1に着いてゆき、用事が終わるまでのあいだ、わたしはひとりでファミレスに入って待つことにした。


待ち時間のお供には、読みかけの文庫本。
久しぶりに小説が読みたくて、1ヶ月くらい前に買ったもの。


しばらく読まずに、ずっと本棚に置いてあって、他にも購入していた本を先に読んでしまっていたのだけれど、もう読む本が他になくなって、やっとこの文庫本に、戻ってきた。


ひとりカウンター席で、アイスカフェラテを飲みながら、のんびりと読書する。


そんなささいなことだけれど、調子が悪いときには考えられなかったことだから、しみじみと、嬉しさが全身にしみわたった。


外に出られること。
本が読めること。
ひとりの時間に、たのしいことが、できること。


3つの要素がかけ合わさって、同居人氏1を待つあいだの時間は、今のわたしにとって、かけがえのない時間になった。


用事を終えた同居人氏1と合流して、自宅まで、少しお散歩することにする。


日差しはどんどん暖かくなり、やっぱり新しいコートはすこし暑くて、でも、お気に入りの服を着て、街を歩けるということもまた、わたしを元気づけた。


自宅までの道すがら、花屋さんや、100円均一に寄る。


無類の観葉植物好きである同居人氏1、手頃な植物がないかどうか、花屋さんや、100均のチェックをかかさないのだ。


今日も今日とて、しみじみと、ニヤニヤと、嬉しそうな顔をしながら、植物を吟味していた。
ほんとうに好きなんだねー、と、話す。


寄り道しながら、なんということもない話をしながら、おうちまでの道のりを、てくてく歩く。


ゲームセンターにも寄って、かわいいような、かわいくないような、ねこのぬいぐるみのクレーンキャッチャーに同居人氏1がムキになるのを眺めて、最後にスタバに寄って、同居人氏2へのお土産においしいコーヒーを買って、帰った。


帰宅すると、ぽかぽかの陽にあたりながら、同居人氏2は、すぅすぅと、眠っていた。


眠る同居人氏2をよそに、同居人氏1が、愛するトカゲちゃんたちにむかって「ただいまのうた」を熱唱するので、同居人氏2は、うぅ、と言いながら、起きた。


それから3人で、ぽーっとしながら、スタバのおいしいコーヒーを飲んだ。



春のようなふゆの日の、わが家のひとコマ。
明日はどんな1日になるだろう。
冬の匂いが、すこし、待ち遠しい。

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