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きらってもいい(日記47)

今日は2週間に一度の通院日。
朝、ぬくぬくのお布団から出られずに、難儀した。


昨日よりはあたたかいものの、朝起きるのがちょっとずつ難儀になっている。
眠くて眠くて、いつまでもお布団に入っていたい!と、思ってしまう。


それに引き換え、同居人氏たちは、元気だ。
同居人氏1は、朝早くからおうちのことを色々やってくれるし、同居人氏2は、朝早くから朗々と適当な歌をうたっている。


同居人氏たち、なぜかよくうたう。
口で言えばいいところを、歌にしてしまう、なぞのクセ。
ついでに、よく踊っている。
朗らかな同居人氏たちに囲まれて、わたしは最近、よく笑う。


今日が休日である同居人氏2、わたしの病院についてきてくれると言う。
こうやって、通院日と同居人氏2の休日が重なると、ついてきてくれることがある。
わたしが診察を受けているあいだ、同居人氏2は、近くのファミレスで優雅にモーニングをたしなむのだ。
今日もそうしたいらしくて、2人連れ立って、家を出た。


診察室に入ると、いつも、先生の、


どうですか?


という一言から、始まる。


最近は、就労移行支援にも落ち着いて通えていて、気分の浮き沈みもなく、穏やかに過ごしている。


その旨をとつとつと話すと、先生は、


それはよかった!


と、にっこりと、笑ってくださった。


ただ、とわたしは言って、


就労移行支援に慣れてきたからか、まわりのひとが、気になってしまって、そわそわしてしまうことがある、と、伝えた。


最近、通所に慣れてきて、「就労移行支援」という場所にも慣れてきたからか、いろんなひとのことが、目に入る。


みなさんよい人なのだけれど、なかには、わたしのこころがざわざわしてしまう人も、いる。


授業中にお菓子を盗み食いしたりとか、何度注意されても足を組むことをやめないとか(通所している場所はとてもせまくて、机もとても狭く、足を組んでしまうと、向かい合って座っているひとや、横に座っているひとの、迷惑になってしまうのだ)、そういう行動をする、ある1人の人に、とてもこころが持っていかれてしまうのだ。


それを見てイライラするのではなくて、わたしはとてもそわそわしてしまって、それって多分、「その場のルールを守らない人」が、とても苦手なのだと思う。


その人を気にしないようにすればするほど、気になってしまって、ああ、またそんなことをしていたら怒られるよ、とか、怒られている本人は全く気にしていないのに、勝手にそわそわ、してしまうんである。


そういうことを先生に伝えたら、先生は、


それって、そういうルールを守らない人のことが、ちょっときらいだなってことですよね?


と、言われた。


それを言われてハッとして、そういえばわたしは、そういうタイプの人のことを、「苦手」とは思えども、「きらい」と思ってしまってはいけない、と、こころのなかで律していたことに、気がついた。


きらい、と、思わないようにしてきました。
きらい、と思ってしまっては、いけないような気がしていて。その人にはいいところもあるのに、きらい、と、決めつけてしまっては、いけないような気がして。
そういうルールを守らないひとが、周囲から浮いてしまってはかわいそう、だからきらってはいけない、それに、自分のこともきらってほしくないから、相手のこともきらいにならない、と、思っていました。


わたしがそう言うと、先生は、


人間には、いいところもわるいところもありますよね。だからって、全ての人を好きになる必要はなくて、こころのなかで何を思っても、自由なんです。ほんとうはきらっているのに、それを無理やり押さえ込んでしまうと、病気になってしまいます。
こころのなかでは、何を思っても、いいんですよ。きらっても、いいんです。それを態度に出さなければいい。距離をとってもいいんです。
それに、◯◯さん(わたしのこと)は、相手にきらわれるような態度をしないから、きらわれることなんて、ないと思いますよ。


と、言ってくださった。


わたしは、そうか、きらってもいいんだ、と、こころのなかで、メモをした。


診察室をあとにして、同居人氏2と合流すると、外は気持ちよく晴れていた。
同居人氏1へのおみやげに、そして3人のお昼ごはんとして、おいしいコッペパンを買った。


歩いてかえろうか?という同居人氏2の誘いにのって、久しぶりに、2人連れ立っておうちを目指した。


同居人氏2はあいもかわらずうたをうたっていて、よく聞くとそれは、「おうちにかえろう〜」と、言っていた。


またひとつ、こころが楽になった。
こうやって少しずつ、変わってゆきたい。

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