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2023.03.11(休職日記50)

今朝も、わたしが起きるのが1番遅かった。
遅かったのだけれど、同居人氏たちはいま二度寝しているので、結果、わたしが1番の早起きとなる。勝ったね。


台所から、カレーの匂いがする。
昨夜の夕ごはんはカレーだったから、今朝、同居人氏たちは「一晩経ったカレー」を朝ごはんにした模様だ。


ぐーすかぴーと寝ている同居人氏たちを起こさないように、そっと動き出す。


まずは、なにはなくとも、洗濯物!
洗濯機のスイッチを押したら、わたしのやる気スイッチも、入る。なんとなくの習慣。


洗濯機をまわしているあいだに、昨夜の夕ごはん&今朝の朝ごはんで出た洗い物を済ます。


今日はゴミ出しはないので、ゴミ集めは、なし。


洗い物を済ませると、わたしも自分の朝ごはんの準備。
コーヒーを淹れて、パンを食べる。
パンは、ベースフードのベースブレッドってやつ。ようは、ダイエットパンなのだけど、特段おいしくもまずくもない。
それを、食器を出したくない(洗い物を増やしたくない)から、開けた袋をお皿代わりにして、もそもそと食べる。
なんてお行儀の悪い子!
と、思うけれど、わたしは大人なので、ヨシとする。


食べ終わったら、トカゲちゃんたちを起こす。
いや、もう起きてるのだけれど、それぞれのケージの電気をつけてあげる。
お目目ぱっちりトカゲちゃんたち。
ついでにお水のお皿を洗って、あたらしいお水を注いであげる。


そうこうしているうちに、洗濯機の終わりましたよ合図がなる。



ピーピーピーの合図に、はいはい今行きますよ、と心の中で返事をして、洗濯物を干す。


干しながら、ぐーすかぴーの、同居人氏たちの寝息を聞く。



洗濯物を干し終われば、わたしの朝のおしごとは、終わり。
台所でタバコを吸って、ぼんやりと、する。



いま、わたしはソファの上にいる。
近くの公園では、誰かがもう、サッカーボールを蹴っている。
昨夜は同居人氏2がWBCを観戦していた。



ボールを蹴る音が、土曜日の朝の家々に、2023年の3月11日の家々に、ひびく。



今日、こんなふうに「ふつうの」朝を迎えられること。
あの日、亡くなってしまった、たくさんの命や、生活のこと。
今もまだ、あの日から続く事ごとに、困難を覚えている方々がいること。


全部、つながっている。
全部、まるっと、つながっている。



あの日感じた、怖さ。
あの日以降の日々に感じた、無力感。
テレビを前にして、ただ泣いていた、あの日々の自分。泣くことしかできなかった自分。
それでも微々たるものをかきあつめて被災地に寄付した自分。
東京にいるのに、出来事のあまりの大きさに、計り知れないひとつひとつの痛みに、涙を流していた自分。


全部、今日のこの「ふつうの」朝と、つながっている。



かみさま、どうか明日も、「ふつうの」朝をください。
かみさま、どうかいまも、かなしみのなかにいるひとを、少しだけでもいい、やわらかく包んで差し上げてください。




かみさま、そしてどうか、わたしがこれからも、「あの日のことを忘れない」ということを、見守っていてください。

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