見出し画像

「ことば と え の4人」 03 〜 穂村さんと坂巻さん 〜

2023.07.08

実は坂巻さんは、何度かOFSの企画でモデルをお願いしたり、イベントスタッフとしてお手伝いしてもらったりと、長いお付き合いがありました。前からずっと絵を描き続けていらして、いつかOFSでも展示をしようね、と言っていたのが、今回このような形で叶う事に。

穂村さんとは面識がなかったのですが、もう1組の歌人、伊藤紺さんから坂巻さんと相性ぴったりに感じる作家さんとして候補にあげていただいたり、坂巻さん自身も穂村さんのファンであったことから、あーしたりこーしたりして(割愛)コンタクトする機会を得、ダメ元でお願いしたところ、何と快く承諾していただきました。

穂村さんとの最初の打ち合わせは、私も坂巻さんも緊張をしていて、ただ「この企画に参加することを面白いと思ってもらいたい!」という気持ちばかりで、いきなり写真をバシバシ撮ったりすることなんて勿論できず….

たった1枚、坂巻さんの作品が入った手元のカンカンだけ撮った。

「折角のコラボレーションなら、お互いの対話からや、OFS周辺の街の様子を汲み取った作品が良いと思う」と提案くださったのは穂村さんでした。

ということで、2回目の対談はOFSにて。
近所を散歩しながら、目に留まったものから話を派生させたり、なんとなく思い出したことを話します。
目黒緑道の鴨

穂村さんが話してくださるエピソード、というか穂村さんの視点を通して語られるエピソードが面白くて、私はコーディネーターという立場なのに、つい、話に割って入ってしまうことしばしば。

OFS目の前の木。このうちの一番右側の木にだけ、スズメが大量に集まって学校を開いている。
河豚料理のお店なのに、半分アメリカンな様相が入っていて、これは親子間の後継問題によるものかも?
「電線マニア」からしたら、OFSの建物付近の電線は、なかなか良い造形じゃないか?とか。
この写真は(対談後に撮ったから)ドクターペッパーが1本だけど、対談散歩した時は、2本分のスペースを占めていて。ドクターペッパーに2本分のスペースを割くなんて、チャレンジングな自動販売機だなと。しかもそのうち1本のボタンは売り切れていた。この地域の人にはドクターペッパー需要が大きいのか?(坂巻さんはドクターペッパーを飲んだことないらしい。)

美味しいお店や、可愛い雑貨屋さんとかではなくて、日常に溶け込んでいる、気をつけていないと見過ごしてしまうような景色の中にパラレルワールドが潜んでいるかもしれなくて、それを探すのが宝物探しのようで楽しい。

毎回楽しい打ち合わせだったけど、目指す世界観について、穂村さんが仰って、私が大切にノートに書き留めたメモ。

「ふんわりした世界観ではなく、具体的かつ小さな世界観で、フックがある。リアルな感覚の中で生まれている微妙な世界観のズレ。その中での面白さを狙うが、面白さを生むことに走りすぎない。ピリッとした緊張感が必要。」

それまで柔らかな口調でお話しされていた穂村さんが、この時はピッと視点を定め、言い切った時の空気を思い出します。

そうして生み出された作品達。この話題から、このような絵が生まれるんだ、という坂巻さんの感性。
話題からタイトルが生まれて→絵を描いたものと、絵が生まれて → タイトルをつけたもの。どちらが先に生まれてもいい、というルールでした。
あのドクターペッパーの話題から生まれた絵。
坂巻さんが、OFSでの穂村さんとの対談の様子を描いた作品。(こちらは非売品です)
対談の中で、雑談のようにポロポロと出てきた話題は、会場のメモにて一部ご紹介しています。
見る人にとっても「自分はどうかなー?」と考えながら見てもらいたい。
坂巻さんは4コマ的な漫画も日頃書き溜めていて、それも抜群にゆるくてだけど急に気持ちの中に滑り込んできたりして、ふいをつかれる。
今回、そんな漫画達を抜粋してZINEにしました。「すやぴ」
ゆるかわおもしろきゅっっとそばに置きたい作品。

会場では涙を飲んでZINEに抜粋できなかった漫画の原画も見られますし、「すやぴ」はOFS のonline shopでも購入できます。

そして、来週月曜日18:30〜は作家4人のクロストーク(insta live)です。

ことば と え の 4 人
穂村弘 × 坂巻弓華 / 伊藤紺 × 脇田あすか

会期:2023.6.30(金)〜 2023.7.30(日)
会場:OFS GALLERY
open:12:00〜20:00 (最終日は18時まで)
close:火・水

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?