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リオネル・メッシが新天地のアメリカサッカーで巻き起こした革命の裏側【Off Topic Ep183】

宮武徹郎と草野美木が、アメリカを中心とした最新テクノロジーやスタートアップビジネスの情報を、広く掘り下げながら紹介するPodcast『Off Topic』。このnoteでは、番組のエピソードからトピックをピックアップして再構成したものをお届けする。

エピソード『#183 メッシはなぜアメリカ移籍した?、スポーツ選手の価値と労働をエクイティで考える』でも、前回に引き続き「労働がエクイティ化する現象」がテーマだ。「エクイティ」は金融業界で使われる用語としては「株主資本」を指す。この場合、エクイティに対して「デット(Debt)」という用語もある。デットは返済期間や金利が定められ、社債発行や銀行借入などにより調達される「他人資本」である。

エクイティの価値観を知ることが、これからの労働者にとっても重要になってくる。前回と今回の2週にかけて、Off Topicでは数々の事例を踏まえた上でエクイティの価値を語る。今回はスポーツ業界を題材に見ていこう。スポーツリーグとインセンティブ、そしてファンの関係をめぐりながら、選手の成績だけに限らない「裏側の偉大な貢献」が鍵になる。


サウジアラビアの巨額オファーより、アメリカを選んだメッシ

スポーツ業界におけるエクイティの重要性を知り、現在進行系で起きている顕著な例として、宮武はまず、アメリカのMLS(メジャーリーグサッカー)クラブの「インテル・マイアミ」に所属する、リオネル・メッシを挙げる。

アルゼンチン出身で、代表選手にも長く選ばれ、数々の選手記録を持つメッシ。それらの功績や実力から「史上最高」という評価を得ることもある彼は、スペインサッカーの名門クラブであるFCバルセロナ、フランスの強豪で知られるパリ・サンジェルマンFCと、有力チームでプレーをしてきた。年齢こそサッカー選手としては晩年といえる30代後半に差し掛かるも、彼のもとには他クラブからも魅力的なオファーが寄せられていた。

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