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マクドナルドがカルチャーに与えた影響と変遷。“ターンアラウンド(復権)”の兆し【Off Topic Ep224】

宮武徹郎と草野美木が、アメリカを中心とした最新テクノロジーやスタートアップビジネスの情報を、広く掘り下げながら紹介するポッドキャスト「Off Topic」。このnoteでは、番組のエピソードからトピックをピックアップして再構成したものをお届けする。

今回は「#224 マクドナルドは健康問題を乗り越えてどう文化的に復権したか?」から、マクドナルドのカルチャーへの影響と変遷。そして近年の広告キャンペーンについて。80〜90年代、かつて"クール”な食のスタイルとして、サブカルチャーの起点ともなっていたマクドナルド。しかし健康問題などによる逆風からブランドイメージは急降下していく。

しかし近年、マクドナルドだからこそもつ、ユーザーそれぞれの「記憶とナラティブ」をベースにした試みにより、そのカルチャー面でのイメージは徐々に変化していると、宮武はいう。マクドナルドのカルチャーへの影響はどのように変遷し、現在どのようなタイミングを迎えているのだろうか?


マクドナルドの経済効果

現在、アメリカでは1日に8400万人が何らかのかたちでファストフードを食べているとされている。ファストフード店舗の数は、去年末スターバックスだけでも2万店以上。マクドナルドは1万店以上存在する。さらに、アメリカ国民の8人に1人がマクドナルドの従業員として働いたことがある、という驚きのデータもある。ジェフ・ベゾスやファレル・ウィリアムス、ピンクといった著名人らもそのなかのひとりである。

マクドナルドはアメリカだけで120万人の雇用を生み出し、納税額は150億ドルを超える。仕入れ先の農家といったバリューチェーンにおける経済効果は非常に大きく、学費支援をはじめとした多岐にわたる慈善事業も行われている。アメリカのGDPに毎年760億ドルにのぼる貢献をしているという調査結果もあるほどで、マクドナルド単体でも非常に大きな経済インパクトをもつことは明らかである。

McDeconomic Impact

オレンジジュースの価格が2020年から約5倍にまで上昇するほどのインフレも相まって、マクドナルドは低価格セットの販売も開始。ファストチェーンに行く理由がより強まっているという背景もあるだろう(とはいえ通常セットの価格は18ドルにまで上昇しているが)。

マクドナルドでの「バースデーパーティ」という、スペシャルな記憶

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