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民主化され、パーソナライズされるインターフェースのゆくえ【Off Topic Ep171】

宮武徹郎と草野美木が、アメリカを中心とした最新テクノロジーやスタートアップビジネスの情報を、広く掘り下げながら紹介するPodcast『Off Topic』。このnoteでは、番組のエピソードからトピックをピックアップして再構成したものをお届けする。

今回は、Off Topic『#171「接点」にはどうしても人間らしさが滲み出る。 メディア・AI・デバイス・ファッションのインターフェイス』から「AI以降のインターフェース」について。巨大テック企業によるインターフェースのコントロール、AIチャットボットによる「検索」の変化が加速するなかで、これからの「フォームファクター」とはなにか? そして、そこで生み出されていく価値とは何かを考えていく。

BuzzFeed News閉鎖の要因

インターネット、特にSNS以前は、新聞、テレビが時代ごとにメディアのディストリビューションを担い、アテンションが集中していたことでそれぞれがインターフェースをコントロールすることができた。しかし、アテンションとディストリビューションがインターネットとSNSにシフトしたことで、メディアは外部プラットフォームに合わせたコンテンツづくりをしてアテンションを獲得するようになった。そのピークがBuzzFeedをはじめとした分散型メディアの時代である。

Naytev

ウェブ分析ソフトのChartbeatが1350社のニュースサイトを調査した結果をみると、そこからさらなる変化が現れていることもわかる。2018年1月時点、全体のページビューのうち平均27%を占めていた外部SNSからの流入は、2023年4月時点で11%まで減少。BuzzFeedはFacebookからの月次の流入が3年前と比べて半減しており、同メディアのニュース部門であるBuzzFeed Newsのクローズも、これが影響した可能性が高いとみられている。Facebookからすれば、自社プラットフォームでのオーガニックな投稿コンテンツを優先したほうが、エンゲージメントも高く、広告によるマネタイズもしやすい。プラットフォーム側が外部サイトへのトラフィックを制限する流れは確実にあるだろう。

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