note書籍化の打ち合わせ〜長文が得意だからこそ、短く書くのは難しい〜
先週末、某出版社さんと #観察スケッチ の書籍化の打ち合わせをしてきた。
noteの記事がバズったことでその編集者さんにお声がけをいただいて、ざっくりとしたメールのやりとりから企画を社内で通してくれた。
まだ企画書を詰めて次の会議を通さないと、出版契約には至らない。ここでポシャる可能性は全然あるので浮かれてはいられないのだけれど、チャレンジする機会が得られた事は素直に嬉しい。
何よりも光栄なのが、その出版社さんが僕の師匠である内田先生の書籍なども出されている、歴史と実績のある建築・美術・デザイン系の大手出版社さんだという事だ。うちの事務所の本棚にも、ここが版元の本が何冊もある。
まぁ、もともとnoteで1年くらい自主連載して、どっかに持ち込もうかなという構想はあった。まさかの数記事でチャンスが得られたのは、紛れもないビギナーズラックだが、渡りに船に乗らない手はない。
そういえば、僕の父が日本語教師だったという話や、辞書を編纂していた話を前に少しした。辞書っていうのは紙メディア版のWikipediaだ。いずれ死語になるだろうが、当時の世界で辞書の編纂は言語系の最も誇れる仕事の一つだった。
一冊の本を作る労力や、そこに注ぎこまれる情熱。幼い頃に見ていたあの景色の一員に、自分もなれる可能性がある。気持ちにちょっと熱が入る。
紙だからこその制約
出版という事は、つまり紙の本になるわけだ。
おまけに今回のは商業出版なので、書店に並ぶという事。当然、関わる人数が多くなる分、クオリティチェックはハードル高めの多重チェック。
担当編集さんがちゃんとついて一緒にやるのが初なのだけれど、今回お声がけしていただいた編集さんは聡明でとても仕事のできそうな方だった。
要件の定義もロジカルでありつつ、読者目線とビジネス目線をきちんと意識されている。版元の事情も踏まえつつ、無理を押し付けてくることもない。
女性だったのでさすがに年齢をズバッと聞くのはためらったが、少なく見てもサッカーのワールドカップ2〜3回分以上の実務経験はありそうだ。
お互いプロなら話は早い。僕は僕の仕事をするだけだ。
実は普段このnoteでは2000文字〜5000文字くらいを毎日書いている。
よくまぁこれだけ長文を垂れ流せるなぁ、とは思うけれど。でも逆に、長文だったら本1冊くらい余裕で書ける気はしていた。
見開き1Pあたり300文字〜500文字で、と言われるまでは。
短い文章で伝えるという難しさ
twitterの炎上のしやすさ、誤解の生まれやすさを見ていれば、短い文章で心に届けることがいかに難しいかは想像がつく。
noteで人の心を動かしやすいのは、長文に耐えられる読み手が読んでくれるというフィルタリングが働いているからだろう。
参考のスケッチも載せつつ、でも文章は見開きで300〜500文字。×160Pで1冊として、80000文字。note1記事が3000文字クラスの自分の場合、だいたい1ヶ月分。
500文字って・・・twitterなら3ツイートくらい。え、そんなに短くまとめるんですか?
やばい。長距離走なら得意だが、僕は短距離走は苦手だ。
書きながら考えるタイプであり、口より先に手が出るタイプだ。いや、DVとかの話じゃなくて、タイピングの話だ。
そこに編集者の役割がある
ヤッベェ〜・・・って顔をしていたんだろう。
「大丈夫ですよ!その為に、私たち編集がいますから!」
なんという頼もしさ!一瞬だが編集さんの背景が光っていた気がする。
僕は足し算だけ頑張れば、引算はやってくれるらしい。
そんなわけで、来月の中旬までに千本ノックみたいな案出しをする約束をしてしまった。まぁ、アイデアの千本ノックなら、いつも仕事でやっていることの延長線だ。
とはいえ、僕はもともと締め切りギリギリまで追い込まれないと全力の出せないダメ野郎なので、ちょっと不安もある。
千本ノック案と企画書次第では、今回は出版は見合わせましょうの可能性だってある。
でも、ダメだったとしても、noteでちゃんとコンテンツを作り込んでいけば多くの人には届けられるだろう。
そういう場所をコツコツ作っているので安心感があるから、安パイを置きに行くようなセコいマネはしないと決めた。
書籍化の方は10年後のうちの娘たちにも読んでもらえるような、そんな普遍性のある美学ある本にしたい。
無事に本ができたら、noteで最初に拡散してくれた方々に寿司でもおごれるようにがんばろう。
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