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これからのお店の方向性は3つのC

店舗デザインや店舗設計という仕事をしつつ、自分でも実際に吉祥寺に awai.tokyo というお店を構えてみて、プレイヤーでありながらマネージャーもやってみて感じていることがあります。

それは、お店のあり方や目的がどんどん変わって来ているなぁ...ということです。

いや、正確に言えば変わるというよりは、より純化していっていると言った方がいいでしょう。

そして、この流れが僕の読み通りに進むとすれば、お店に求められる機能は最終的には3つのCへ行き着くのではないか?と仮説を立てています。

今日はそんなちょっと先のお店の未来のお話です。


今までのお店はどんな機能だったのか?

これからのお店や、ちょっと未来のお店を考える前に、そもそも今までのお店はいったいどんな機能をもっていたのかを考えてみましょう。

まず、大きなところでは流通機能と倉庫機能です。

住まいには置いておけない食料品や消耗品をストックしておくスペースとしての機能、そして賞味期限のあるものなどを流通・循環させて常に一定以上の鮮度のモノを販売する機能ですね。

これらの機能は今、インターネットと物流機能の進化によってお店から外されていっています。ストックしておくには都市部の家賃は効率が悪いですし、流通の点でいえば産地や倉庫直送の方が中間ロスは少ないですよね。

他にはどんな機能がありますかね?

商品を説明してくれる機能。これも接客というコミュニケーションなのか、情報の説明という作業なのかで差はありますが、情報の説明ならインターネットの画面上の方が便利だったりしますね。

ましてやお店どうしの値段の比較であれば、リアル店舗をいくつも回るよりもインターネットの方が早いし正確だし便利です。


ここまで載せて来た「利便性のある機能」のほとんどは、インターネットやテクノロジーによってリアル店舗からもっと便利などこかへと移動していった機能達です。

では、これらの機能が剥ぎ取られていった先で残る機能は何で、リアル店舗はこれからどこを目指していけばいいのでしょうか?


リアル店舗は純化していく

これからのお店は、テクノロジーによって民主化した機能がどんどん外れていき、最終的には4つのパターンになるのではないか?と考えています。

そのうちの1つのパターンはテクノロジーと融合した利便性特化の方向性で、残りの3つのパターンこそこれからのお店づくりで目指すべきポイントです。

①インフラ系
テクノロジーと融合し、利便性と安定供給に特化した方向性
このジャンルでは各業態数社しか生き残れない勝者総取りの世界

②コスチューム系
③コレクション系
④コミュニケーション系
純化して残った機能に特化した方向性
それぞれの混ざり合った方向性もあるが、ほぼこの3つが軸


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インフラ系はユニクロやサイゼリヤやマクドナルドなどの方向性です。これはメガチェーンの資本力や調達力と組み合わさって、とても新規参入で戦える市場ではありません。

もしもインフラ系が揺らぐとしたら、全く新しい技術が出ることで市場の競争ルールそのものが変わってしまった時でしょう。インターネットの登場と同じようなインパクトなら、完全自動運転や物質転送装置や超長期保存技術などでしょうか。

どれも実現するのか不明ですし、実現するにしてもいつなのかも読めませんね。

それ以外の場合は、コスチューム・コレクション・コミュニケーションの3つのCの方向性へと純化していくのではないでしょうか。なぜなら、これらはインターネットでは代替えしづらい機能だからです。

では、これからのお店で目指すべき3つのCについて、もう少し深掘りしてみましょう。

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