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木更津パン屋開業記はじめます

さかのぼること4年ほど前、パン屋さんを開業したいという案件の公募に対して一通のメッセージを送った。

店舗デザイナーとして独立してまだ3年ほどの頃、キャリア的には10年選手で、ベーカリーの設計も何店舗か経験してきた。なにより、美味しいパンが好きだ。

朝はパン派として10年やらせてもらっている身として、これは立候補しなければ!と気合いと過剰な熱意を込めて送ったメッセージは目に止まったようで、実際にお会いすることになった。

その人が、今回一緒にお店を作ることになったパン職人のクニヨシさん。

年齢も近く、お互い育児中で、好きなパン屋さんなどの話も盛り上がってすっかり意気投合。しかし、そこから実際にパン屋さんを作り始めるまでには実に3年以上の時間がかかった。

一つは、いい物件がなかったこと。千葉県の房総半島側にお住いのクニヨシさん、自宅から通える駅近くである程度の面積が確保できて、かつお手頃な家賃の物件...そう簡単に見つかるはずもない。

もう一つは、クニヨシさんの次の働き先が決まったこと。チェーンのパン屋さんのアルバイトなどで繋いでいたのだけれど、もうしばらく修行期間を伸ばすことに。

そこからはお互いに良いパン屋さんや気になるお店の情報を交換しつつ、時折クニヨシさんの焼いてくれたパンを送ってもらうような関係が続いた。



ついにスタートラインへ

令和元年の初夏、いよいよお店を構える準備ができたと連絡があった。

場所は千葉県の木更津市。

住まいからも近く、海産物から野菜や畜産業まで幅広く一次生産者が揃っていて、地産地消で環境にも体にも良いパン作りを目指しているクニヨシさんの理想を実現できる立地だ。

そして、ようやく物件探しが再スタートし、何ヶ所かの候補地を一緒に回ったり、店名やデザインの相談をしたり、お店作りが始まった。

さらに、どうせならこのお店づくりの記録を全部まるっとnoteで書いてみませんか?と提案したのだった。

こうして、2人で共同マガジンを立ち上げて、それぞれが開業記を書くことになり、今僕はこれを書いている。


せっかくなのでSNSアカウントのプロフィールの書き方なんかもちょっとアドバイスをしたりした。

上記のやりとりの後、すぐにクニヨシさんはプロフィールを書き換えてくれた。最後の一文がどうなっているかは、ぜひ彼のアカウントを見に行ってみて欲しい。


実はパン屋さんというのは独立開業する際にお金がとてもかかる業態の一つ。効率的に生産することを考えると、それなりの設備投資が必要になるからだ。

さて、ここで一つおたずねしたい。街の個人経営のパン屋さんを開業しようと思った場合、いったいいくら位のお金が必要だと思う?

この答えは、次回までの宿題としてちょっと考えてみて欲しい。


人生の中でお店を作ることを経験する人はそういないだろうから、開業記はきっと楽しく読んでもらえる気がしている。

なかなか普段は見ることのできないお店づくりの裏側のリアルを、出店者と設計者という2つの目線で綴っていきます。そして、読んだらきっとクニヨシさんの作るパンを食べてみたくなるはず。

なにせ彼は関西No.1との呼び名の高いパン屋さんル・シュクレ・クールで修行を積み、そこから日本で一番有名であろうシャルキュトリーのターブルオギノで精肉=ソーセージやハムやパテ作りを修業している。

ハムやマヨネーズまで手作りした、文字通り全てがハンドメイドのクラフトサンドウィッチが食べられると聞いたら、一回は食べてみたいと思うだろう。

なによりもまず、お店を設計している僕が食べてみたいんだ。今から今年の秋が楽しみでしかたない。

クニヨシさんのバゲッドは超美味いですよ!
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