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GEIは身を助ける、これからのお店の作法

先日、barbossaの林さんの新しい著書が出たんですね。「なぜ、あの飲食店にお店が集まるのか」という本です。20店舗の売れっコ飲食店オーナーさんに、その秘訣を聞いて回るという専門誌の連載企画を加筆してまとめ上げた一冊です。

これ、ホントいい本です。20店舗のオーナーさんの開業秘話が読めて2000円しません。1店舗あたり100円で、お店の開業資金からメニューや値段や仕入れのアレコレ、トラブル対応まで現場のナマの言葉が詰まっています。

そして、その本の刊行イベントとして林さんがこの本を絡めたインタビューをしたい人を募集していたんですね。

僕はもともと林さんがnoteを書かれていたから読み始めて書き始めたので、これはもう立候補せねば!とすぐに応募したんです。

しかも、僕が撮って書いてだと広がりもないなぁ...と思い書いてくれるライターさんを募集したら、林さんが連載されているLEONの美人インタビューのライター木村さんが声を上げてくれました!

そして出来上がった記事がこちら!
大ボリュームの前後編です。


barbossa林さんとインタビュー対談、前編
↓↓↓


barbossa林さんとインタビュー対談、後編
↓↓↓

色々といいこと聞けたので上の記事をぜひ読んでほしいのですが、今日はちょっとインタビュー裏話を。

インタビューをしてみて、僕はやっぱりこれからの飲食店ってGEIが大切になるなって感じたんです。

芸は身を助ける、というコトワザがありますけど、この芸をGEIと現代的に読み替えると、どんなビジネスでもこのG・E・Iを抑えれば生き残れるんじゃない?と思います。


Generation=同時代性

まずはジェネレーション。時代性です。

これを抑えないとうまくいくモノもうまくいきません。尖っていてセンスの良いコンセプトも、時代に対して早すぎて消えたりは多々あります。

なぜ、今この時代のこのタイミングでこの場所なのか?突き詰めれば、これを抑えればかなりお店の生存率はあがるでしょう。


Entertainment=娯楽性

次にエンターテイメント。娯楽性です。

テクノロジーがあらゆるものを民主化していく中で、最後に残るのはやはり娯楽なんです。

川に水を汲みにいっていたものが、上下水道が整備されて蛇口をひねれば良くなる。このように暮らしに必要なことはどんどん民主化されインフラ化します。

個人間売買や、スキマ時間の売買もどんどん進むでしょう。それでも、最後には意味なんてなくても楽しい体験や娯楽を人は求めます。

「たのしいひととき」なんて言ったりしますが、誰がどう楽しいの?を突き詰めて考えるのが大切です。


Internet=インターネット

最後にインターネット。つまりSNSなどの「つながる技術」です。

来店してもらわないと成立しない、ローカルに根ざしたお店の運営で手薄になりがちなのがココです。

でも、僕は逆にこれからはインターネットにつながった運営方法をできるかどうかが、生き残りの秘訣になるんじゃないか?と感じています。


僕はbarbossaの林さんを1人メディアミックス店主と言っているのですが、SNSを使いながら書けて喋れて企画ができる店主はすごく強い。

それこそ、お店の儲けだけではなく、別の仕事も並行して回しながらトータルで稼ぐモデルは可能性があります。

有名レストランのシェフだって飲食店営業以外にコンサルやメニュー監修、企業へのレシピ提供などで稼いでいて、実はお店はそんなに儲かってないけど広告収入や企業との仕事の収入で経営を支えていたりはよくあります。

これからますますその傾向は強くなっていき、お店はAKBの握手会の会場のような濃いファンの体験の場になり、それ以外のライトユーザー向けのお試し通販やメディア連載などで稼いでいく飲食店オーナーは増えていくはずです。


でも、飲食店は潰れまくってない?

先日、帝国データバンクよりこんな発表がありました。

1 2019年(1月~11月)の飲食店事業者の倒産は668件で、11月時点で過去4番目の水準となった。通年では過去最多となっている2017年(707件)を上回る勢い

2 業態別にみると、「酒場・ビヤホール」(143件、構成比21.4%)、「西洋料理店」(110件、同16.5%)が11月時点で過去最多を更新した。「酒場・ビヤホール」は11年連続で件数最多の業態となったほか、「西洋料理店」は3年連続で件数が急増している

3 負債額別にみると、2019年(1月~11月)は5000万円未満の小規模倒産が構成比84.4%(564件)、5000万円以上の倒産が同15.6%(104件)となった。5000万円未満の倒産は2015年から5年連続で8割超となっている

帝国データバンク 飲食店の倒産動向調査2019年 より

この数字自体は、まぁ個人飲食店も経営者の高齢化でどんどん潰れているので、単純に景気の悪化でチャレンジしたのに失敗している...ばかりでもないでしょう。

数字は数字なのでこれだけ見て「ほら!飲食なんてやるもんじゃない!」と思っちゃうのは思考停止です。

とはいえ、客席数×客単価×回転率で売上の天井が決まってしまい、集客が立地に依存しやすく固定費が高止まりしやすい飲食店という業態はビジネスとして美味しくないというのは現実です。

それでも場所をつくって原始的な「食」を囲む体験を提供する意味や価値を、深掘りしてとどける需要はずっとあるんじゃないか?と僕は考えています。


時代が進み、テクノロジーが進化しても、人間の体の構造はそう簡単には変わりません。お腹もすくし、眠くもなるし、楽をしたいし、モテたいんです。

同じように「一緒にごはんを食べたい」という欲求や「一緒に飲みたい、語りたい」という欲求も尽きないハズ。

これからのお店には箱と人と商品だけではなく、さらに知恵や工夫を目一杯詰め込む必要があります。そのためのヒントが詰まった一冊です、ぜひ読んでみてください。きっと色々なビジネスのヒントが詰まっています。

いい企画本なのでぜひ続刊も出てほしい!
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