翻訳という仕事をするために必要な要素の棚卸し
「翻訳の仕事をしてみたいのですがまず何から勉強すればいいですか?」という問いに対する答えは、その人の現在の状況によって違います。
ひとりひとり状況が違うので、答えはそれぞれ違うので個別に相談内容を聞いてお答えするしかないのですが、敢えて一般化して言うなら「まずは自分に必要な要素を棚卸しすることから始める」ことだと思います。
英日翻訳を例に取って言うと、翻訳の仕事に必要なのは英語力だけではありません。そう言うと、「そうそう、むしろ日本語力のほうだよね」と思う人もいると思いますが、実はそれだけでもありません。
「そっかそっか、専門分野がないと訳せないって言うよね」と思うかもしれませんが、それだけでもありません。
翻訳を仕事にしてお金を稼ぎ続けるには「翻訳力(①~④)+営業力(⑤~⑥)」が必要です。
①原文を読むしっかりとした英語力があった上で
②内容を把握できるだけの背景知識・リサーチ力があり
③理解した内容を適切な日本語で表現できる文章力を持ち
④ミスのないよう自分の訳文を校正できて
⑤仕事をつかむ営業力があり
⑥取引先と適切にコミュニケーションする能力を備えている
ということになります。翻訳の実力があるのに仕事が来ない、という場合は営業力が足りていない可能性があります。特にフリーランスとして仕事をしていくには営業力も必要な要素になってきます。
翻訳を仕事にしたいのであればまずは英語力を、という方向性は間違ってはいませんが、英語力だけ突出していても「英語を読んで理解した内容を日本語で書く」という仕事をするにはその他に何かが足りていない可能性もあります。
そういった意味で、まずは自分がどこまでできていてどこからができていないのか、棚卸しをしてみるといいかもしれません。
私が考える「翻訳の仕事を獲得・維持するためのセルフチェックリスト」を作成しましたので、もしよかったら参考にしてください。
こちらのセルフチェックリストについてはstand.fmの2023/2/27の音声配信で詳しくお話ししていますので、興味のある方は合わせてそちらもお聞きください。