ウクライナ侵攻のニュースで思うこと

 このところウクライナ侵攻のニュースにくぎ付けになっている。仕事中もネットラジオやニュース専門局のライブストリーミングを流しっぱなしにしている。

 21世紀のこの時代に、あのような前近代的な戦争行為が実際に起こることには驚くほかない。

 テレビのニュース番組の中で "NATO" についての解説がたびたびなされている。その昔、西側諸国の軍事同盟である「北大西洋条約機構(NATO)」と旧ソ連を中心とした東側諸国の軍事同盟「ワルシャワ条約機構」が対峙していた。社会の教科書だったか、それぞれの加盟国が色分けされた地図を見た記憶がある。その後、ソ連の崩壊と前後して「ワルシャワ条約機構」は消滅した。当時そのニュースに接したことも覚えている。しかし、少し考えてみれば、対峙している相手側が30年も前になくなったのに、なぜ NATO はまだ残っているのだろうか?しかもそれは徐々に拡大している。

 ニュース解説でこの理由や経緯をすっきり説明してくれているところには、残念ながらまだ出会えていない。

 ロシアの大統領の肩を持つ気はさらさらないが、NATO が増殖しながら自国にじわじわと近づいてくるのは恐怖だろう。ここでまた疑問が湧いてくる。ロシアの大統領の立場で想像してみる。NATO が怖いのなら、「ワルシャワ条約機構」を再興するか、少なくともその動きを見せる。それだけで NATO 拡大への威嚇にはなると思うのだが。なぜそうしないのだろう?その方が、隣国を無慈悲に蹂躙するよりよほどスマートなやり方だと思うのだが。この疑問に答えてくれる解説もまだ目にできていない。

 米国のストリーミングニュースの画像を見ていて気付いた。ウクライナの首都「キエフ」が “Kyiv” と表記されている。学生時代からずっとキエフは “Kiev” だと思っていた。不安になって、古い英語の辞書を引っ張り出して見た。”Kiev” はあるが “Kyiv” はない。

 昔よく聞いた、エマーソン・レイク&パーマーが「キエフの大門」という曲をやっていたはずだ。早速調べてみる。英語の歌詞をみると、タイトルが ”The Great Gates of Kiev” となっている。こちらもやはり ”Kiev” だ。

 念のため日本の外務省とウクライナの外務省の公式ページの英語版をそれぞれ確認した。こちらでは、いずれも “Kyiv” になっている。

 どうも、昔のキエフは “Kiev” だけど、今のキエフは “Kyiv” が正しいようだ。一番不幸な形で、偶然このことに気づくことになってしまった。

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