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語りたいけどネタバレになるので多くを語れない… | 「近畿地方のある場所について」(著:背筋)

こんにちは
イデアレコードの左川です。

少し前に読んだんだけど読んだということをすっかり忘れている本がありました。いや、正確には読んだんだけど、読まなかったことにしていた本という方が正確かもしれません。理由は怖かったから…久しぶりにホラーを読んだら怖くなってきて、一人では居られなくなった。

情報をお持ちの方はご連絡ください

近畿地方のある場所にまつわる怪談を集めるうちに、恐ろしい事実が浮かび上がってきました。

amazonより抜粋

多くを語るとネタバレになってしまうので、そのあたりは気を付けながら…

身体の内側から恐怖を感じるというとき、要因の一つに現実性というのがあると思う。あまりに荒唐無稽なものが登場するホラーというのは、恐怖というよりは驚きや嫌悪感的なものに近い。自分が暮らしている日常の延長にあるようなとき、そこに感じる恐怖は自分事として強烈に響いてくるものとなる。
映画においてはだいぶ前から"撮影しているカメラマンが一人の登場人物としてカウントされて展開する主観映像として展開されるような映画"、いわゆるPOV(Point Of View)形式の映画は一つのジャンルとして確立されて、今に至る。ジャンルを確立した代表的な映画としては「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」「REC/レック」「クローバーフィールド/HAKAISHA」等が有名ではある。本書も位置づけ的にはPOVもしくはモキュメンタリーが近いかとは思う。

「近畿地方のある場所について」は、ライブ中継やSNSなどの今風なもので構成されて展開されていくので、日常的な物事として感じられる。様々なところに仕掛けが施されており、いつのまにか自分自身の出来事のようになっていき、恐怖はより身近なものとなって増大していく。このようなホラー本というのは過去にもあった気がするが、そのあたりの緻密な設計が成されていることによって本書は改めてこのジャンルの怖さを醸成できたのではないかと思う。

ホラーが好きな人には是非とも読んで欲しい。
自分は関東に住んでいるから良いものの、近畿地方に住んでいたら、とてもじゃないけど耐えられない…

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