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「定型発達」第9回-定型発達の持つ「オート・フィルタ」

#発達障害#アスペルガー )当事者から見た普通の人達( #定型発達 )の不思議な特徴とその理由について書いていきます。連載。

・定型発達の持つ「オート・フィルタ」
・フィルタがないとどうなるか
・上手く働かないフィルタ

・定型発達の持つ「オート・フィルタ」

 定型発達の人の脳にはとても優秀なオート・フィルタが備わっているようにみえます。その #フィルタ は目や耳から入ってくる #情報 を自動的に仕分けして、それを快適に処理できるようにしてくれています。
 無意識のことなので説明しづらいのですが、例えば人混みのがやがやした中で、特に大きな声でなくても自分の名前を呼ばれると気づくことができるのは、それ以外の声がフィルタでカットされていると考えるとわかりやすいかと思います。
 たくさんの情報の中から必要なものがパッと目についたり、逆に不要な雑音はあまり気にならなかったりと、フィルタは必要に応じて自由自在に働いてくれているようです。

・フィルタがないとどうなるか

 このフィルタが働いてくれないとどうなるでしょう?
 目や耳から入ってくるすべての情報が一辺に脳に押し寄せることになります。これが全部処理できるようなら「聖徳太子」になれるわけですが、たいていそのようなことは出来ません。

 この「フィルタのない状態」が #ADHD です。一度に多くの情報を受け取るため、気が散って集中できない状態が起こっています。まわりの音もすべてよく聞こえるので、話に集中できませんし、ADHDの特徴である衝動性もあって、大変疲れてしまいます。
 ただし、周りの音が全部聞けたり視界の中のものすべてがよく見えることが長所となる場合もあるでしょう。

・上手く働かないフィルタ

 フィルタはあるけれども上手く調節が出来ない、という場合もあります。
アスペルガーである私の場合、フィルタはピンホールカメラのように小さな穴が一つ空いているだけのようです。

 一度に一つしか情報が見えず、一つのことしか考えられません。まわりに何があるかに気づくには穴を動かすしかなく、そうなれば前のものはもう見えないのです。たくさんのものに同時に対処するには意識して切り替えを行うしかなく、当然オート・フィルタのようにすばやくなめらかには出来ません。
 そのかわり、何か一つのことを集中して行うには大変向いています。

まとめ

目や耳から入ってくる情報が「オート・フィルタ」によって無意識に取捨選択されていると思われることについて書きました。それがない状態がADHD、小さい穴がひとつだけなのがアスペルガーと考えるとわかりやすいと思います。

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注意:この文章は著者の個人的な考えによって書かれています。
「すべての」定型発達の人に当てはまるわけではありません。
発達障害には「 #自閉症スペクトラム (アスペルガー症候群を含む)」のほか「ADHD」および「LD」があります。ここではアスペルガーである私の視点からの記述のみを行っています。

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