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そもそも聴くことで誰が得をする?

「そもそも、聴くってなんで必要?」
前回では「安心感」「信頼感」「自己肯定感」という3つの感が得られるからって話しました。

スキル本っぽく言ったらその3つになります。

じゃあ
もっとシンプルな質問。

「そもそも、聴くと誰が得をする?」

会社で行われるコーチング研修、リーダー研修
その中のスキルの一つの「傾聴」の項目では
相手のために傾聴するって言われたりしませんか?
相手のやる気を引き出す。
相手の課題を明確にする。
相手とのコミュニケーションを良好にする。
などなど。

これって実は建前の匂いがしませんか?
私だけかな・・・。

もちろん
それは正解だし、そのために傾聴するんだけど
それだけで捉えてしまうと上手くいかない。

何故なら
主語が相手だと自分ごとにはならない。
だって、常に相手のためって思って会話するって
なんか苦痛に感じませんか?
本当は傾聴なんか意識したくないのに相手のために頑張る。
言いたいことがいっぱいあったって、まず耳を傾けろって大変!
人間ができてないと難しい。
傾聴って人間性も求められちゃうんですよ。
突き詰めるとね。

もちろん
傾聴のトレーニングをちゃんとやれば、出来るようになるんですけど
そして
そのトレーニングをして欲しいんですけどね。
ただ
トレーニングのモチベーションとしてですね、主語を「相手」にばかりしていると大変だってことに気がついて欲しいんですよ。

コーチの仕事は傾聴することではありません。
コーチの仕事は相手の課題を解決すること。
課題を解決するとコーチはクライアントから感謝されて、フィーを頂けます。
コーチはボランディアで話を聴いていない。
自分のコーチとしての仕事が上手くいくように傾聴しているという面もあるんですよね。

長々と説明してきましたが
要するに
「そもそも聴くことで誰が得をするか?」
この答えを
「自分が得をする」
と思えればモチベーションが長続きするんです。
だって
自分の仕事が上手くいった方がいいですもん。
部下との関係が良好になれば部下も仕事がやりやすいけど
自分だってチームをまとめやすくなる。
部下の話から早々と問題点を見つけられれば
部下も失敗しなくて済むけれど
自分も尻拭いをしなくてすむ。

どちらもwin-win。

これって家庭でも同じことで
パートナー(妻とか夫とか恋人とかね)の話を傾聴できたら
二人の仲は良好になる。
相手は話を聴いてくれる人に対して悪い印象を持たないもの。
でも
親しくなればなるほど話を聴かなくなるのが世の常。
それって相手のために聴いてあげるっていう意識が幅をきかせるから。
一生懸命聴かなくたって相手を振り向かせちゃったから
そこに労力を使わなくてもいいやって思ってるから。
だから話を聴かなくなるんだけど
そうすると二人の仲があまり順調ではなくなって。

そしたらどうなります?
自分に対する待遇って悪くなったりしませんか?
家に居場所がなくなって、いつの間にかATM扱いになったり。

おっと脱線しましたね。

そう
聴くことを続ければ
相手のためにもなるけれど
自分のためにもなるんです。

「聴くことで得をするのは自分」

なんだか得っていうと罪悪感を感じてしまう人もいるかもですけど
この場合の得っていうのは自己中心的な得ではなくて
相手もwin、自分もwin、そして会社としてもwin。
これって近江商人の『三方よし』状態の得なんです。

そう思えたら
(っていうか実際にそうなんだけど)
会社の研修で「傾聴」の練習があっても退屈ではなくなります。

「はぁ? そんな丁寧に部下の話なんか聞けるか!」
って思ってる昭和世代の皆様。
部下のためだけではありませんよ。
究極は自分のためです。

その研修のタイトルが「部下の強みを引き出す」・・だとしても。

まずは自分のために相手の話を聴きましょう。

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